買い受けた物件に残置物があった場合の対処方法

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改訂版 競売不動産の基礎知識

 残置物とは、不動産物件(マンション・アパート・一戸建て・オフィス等)に居住(占有・賃借)していた者等が退去の際に残していった私物(家具・生活用品・エアコン・什器・付帯設備等の動産)のことである。残留物ともいう。

①勝手に処分するとどうなるのか

 残置物の所有権は、占有者・債務者にある。不動産競売における競売対象はあくまで不動産であるから、買受人は残置物に対する所有権は取得しない。したがって、勝手に処分することは許されない。勝手に処分することは、民事的には不法行為(民法709条)にあたり、損害賠償を請求される可能性がある。また、刑事的には器物損壊罪(刑法261条)あるいは窃盗罪(刑法235条)に問われる可能性がある。
 そこで、残置物を処分するためには、占有者との交渉によるか、法的手段により強制的に処分する方法によることになる。
 なお、残置物の処分には、残置物撤去のための費用、運送業者等の手配、執行当日の人手等の費用、保管のための一時倉庫の費用等がかかる。

交渉による方法

 占有者、債務者に連絡が取れる場合は、処分の承諾に関する書面を交わす。
 書面には、引き取り期限、期限までに引き取らない場合は、買受人側で処分する旨を記載する。なお、処分費用は、法的には占有者、債務者に請求できるが、実務的には処分を円滑に進めるために、処分費用を免除したり、所有者放棄の承諾料を支払ったりする場合もある。そういった合意があった場合は、後日トラブルを回避するために必ず書面に合意内容を記載しておく必要がある。
 なお、相手が処分を承諾しない場合は、法的手段により強制的に処分するしかない。

法的手段による処分

 法的強制手段は、一言で言えば、引渡命令とそれに基づく強制執行という流れで実現する。すなわち、引渡命令の申し立て→発令→「不動産の引き渡しまたは明渡しの強制執行」の申し立て→強制執行→保管(約1カ月)→不動産の公売・処分という流れになる。これらの手続きに要する費用はすべて買受人の負担となる。

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