教科書では、教えてくれない原爆投下の意味を考える。戦争とは

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ある晴れた夏の朝

広島と長崎に投下された、原子力爆弾。
未だ、紛争が続く国がある中でも、
原爆が落とされたのは、この日本のみ。

その原爆投下は必要だったのか、否かを
アメリカに住む8人の多民族学生が
公開討論会を行い、原爆の事実に迫る。

白人、日系アメリカ人、黒人、中国系アメリカン
多種多様な民族の子供達が、討論会を経て得たものとは…

原子力爆弾とは

原爆肯定派からは、基本的な原爆の説明があり、その後、原爆を投下しなければ、本土決戦となり、さらに多くの犠牲者が出るだろう、だから投下した。
という意見。

否定派からは、峠三吉の詩をもとに、原爆を投下しても、それでも終戦には至らなかった、ソ連が加わったから、終戦になったのだ、だから原爆は無くても良かった。という意見で終わります。

パールハーバーを忘れるな

肯定派からは、真珠湾攻撃が大平洋戦争の引き金になったと強く訴えます。

しかし、否定派からは、実は宣戦布告はあったという事実、しかし、これが日本大使館の遅れによって攻撃が始まってしまったこと、そして、攻撃はしたものの、日本が大勝利をおさめることはなかったことが、亡くなった人数などからの統計であらわされています。

これで黙っていない肯定派は、南京虐殺問題を提唱してきました。
日本人は、老人から子供まで、アメリカ兵を敵と思わされていた。竹槍などで訓練されていた。
ならば、兵士なのではないかと、
それにくらべて、南京虐殺の方は本当に罪のない人が殺されている。
ならば、老人から子供までが兵士の日本人は、罪のない一般人ではなかった。だから投下したという意見がでてきます。

そこで、否定派の意見として、アメリカに住んでいても黒人差別を受ける。
ならば、この戦争はいわば人種差別によって行われたものではないのか。という反論を否定派は返しました。

三国同盟と、442連隊

肯定派からは、ユダヤ系の1人が、ナチスが行った行為の説明があります。
人種差別されていても、その国と同盟を結んでいたのならば、原爆は投下されてもおかしくないと。

否定派からは442連隊の話で始まりました。
当時のアメリカに残った日本人移民のことで、収容所のような荒涼とした場所に住み、アメリカのために戦った日本人兵士のことです。
彼らはヨーロッパに送られてナチスと戦った。
戦うか、収容されるかのどちらかだったそうです。

そして、肯定派からは切り札とでもいうように
今でも広島の学生達が戦争を学ぶ時に行く
慰霊碑に書かれた

「安らかに眠って下さい
過ちは
繰返しませぬから」

つまり、日本人は日本人が過ちを犯したと認めている。と発言します。

肯定派、否定派のスピーチ

様々な人種、宗教のもとに行われてきた討論会も最後、個々の感想などで終演を迎えます。

日本人は本当に自らが過ちを犯したから、
あの文があるのか、その答えが、主人公、日系アメリカ人の母(翻訳家)との会話でわかります。

肯定派が知らなかったこと、否定派が知らなかったこと。
全てを包み込む、その文の本当の意味とは…

戦争を知る人が居なくなる一方
戦争に加担していく日本はどのようになるのか。
教科書では教えてくれない、素晴らしい内容です。

感想

まず、自分の教えられた戦争の内容が、あまりに少なく、軽いものだと実感しました。

そして、アメリカの学生たちは、こんなにも真剣に物事にとりくめるのかとも、思いました。
フィクションとはいえ、相手を貶さない、相手を認めた上で自分意見を言う。
こんなことが、同じ年齢の日本人にできるのでしょうか。

また、この本は有権者である大人にも読んで欲しいと思いました。
この推薦図書は中学生向けですが、今、日本が憲法を改正したら、誰が戦争に行くのでしょう。
紛れもなく、学生です。
大人は仕事や経済を回し、上に立ってまた戦争が始まるのかと思うと、過ちを繰り返してはいけないと思うばかりです。

戦争を知る人が少なくなる中で、この本を読んで少しでも、戦争の悲惨さ、原爆の無い世界へと進んでほしいと思いました。

ある晴れた夏の朝

ある晴れた夏の朝

  • 小手鞠 るい

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