発達障害の「支援」ではなく、「治療」を目指して

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発達障害の治療の試み-検査を基にした分子整合栄養医学による内科的治療

発達障害が良くなった子どもたちの事例

 強い不安感やパニック、疲れやすさ、感覚過敏などがあり、小児科では広汎性発達障害の診断があった3歳の女の子。検査では栄養不良や鉄欠乏性貧血、腸内環境のアンパランス、乳ペプチドの高値などが見られ、それらの改善のための治療を行なった。小学生になる頃には、症状が改善し、友達と一緒に生活を楽しめている。

分子整合医学の枠組み

分子整合医学とは、遺伝子に描かれたその人本来の健康な状態に向けて必要な栄養素を補給することによって回復させる治療法である。
精神科の病気という診断の中には、実は内科の病気の誤診だという事例が多くあり、その逆もある。発達障害における諸症状と関わりのある項目を栄養の観点から緩和する。

有機酸検査

腸内細菌のバランスを見るための検査。発達障害を持つ患者の中には、腸内細菌の状態が異常である例がしばしば見られ、疲労や情緒面で悪影響を与えていることがある。腸内細菌叢の悪化には、抗生物質の投与が関係していることも知られている。検査を行い、サプリメントや栄養指導をすることで、情緒面で良い影響が得られる。

ペプチド検査

タンパク質を構成するアミノ酸がいくつか連なったものをペプチドという。グルテンなどから生じるペプチドを消化する酵素が弱い場合、ペプチドが脳内に達し、GABAを阻害しドーパミンを促すことがある。このペプチドが注意欠陥や自閉症スペクトラムなどの症状を悪化させていることが考えられる。乳製品を控え、消化酵素のサプリメントを摂取するなどの対策をとることで症状が改善する。

IgG検査

免疫抗体を調べることで、94項目のアレルギーを検査することができる。アレルギーによって情緒面で問題が生じていることもあり、特定食品の摂取を控えることで改善が期待できる。

有害ミネラル検査

ヒ素、カドミウム、水銀・鉛・アルミニウムなどの有害ミネラルが、疲労やイライラ、頭痛などを引き起こしていることがあり、それらを検査し、除去を促すことで症状が改善に向かう。

血糖値

血糖の調整能力が低いために精神状態に異常をきたしている例は非常に多く、精神障害と診断を受けて来院した患者の中に血糖調整能力が原因である例が多い。発達障害の症状においても、血糖調整能力が症状を悪化させている事例は多く、血糖値の乱高下を抑える栄養指導が症状の改善に繋がる。

感想

先天性の障害として、治療よりも支援が優先される発達障害に対して、「治療」という観点から症状のコントロールを試みる実践の記録。直接的に発達障害の「治療」になっているのかどうかはわからないが、多くの理論や臨床事例に基づいた実践によって「症状の緩和」が行えることがわかる。
当事者や支援者からすれば、それが直接的であろうと間接的であろうと大差はなく、困り感のある事柄に対して対処方法があるということは、大きな救いになるのではないかと感じた。

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