もう少し本論部分に紙数を割いて欲しかった

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宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

ABC予想を解決に導く IUT理論の,一般読者向けの解説書だが
同理論は,専門誌の査読をクリアしていない状況なので
ABC予想が同理論で解かれたとは明確には書かれていない.

IUT理論を用いてABC予想を解決したそのこと自体よりも
IUT理論の理論体系の構築に意義があると主張するのは納得できる.

しかし,
数学者の書く論文,査読システム,新しいとはどういうことか,成果を他人に伝える重要性などの前置きが長く,肝心のIUT理論の理論体系の解説に割く紙数が少ない.

IUT理論の最初の一歩である
異なる数学の舞台を想定することで,欲しい状況を,まずは「同語反復的に」作り出す.

というのが,理解不能.
パソコン画面上に映る,入れ子になった世界に映した
大きさの合わないジグソーパズルを,パソコンの外の世界にあるジグソーパズルと
組み合わせる絵で表現しているが,
分かった気にさせることもできていないと感じる.

この最初の一歩が,もし理解できたら,以下に示す手続きは,
本書を読めば,まぁ,素人ながらの理解した気分は,得ることができた.

異なる数学の舞台では,正則構造を共有することはできない.
このため,異なる数学の舞台の間は対称性通信を行う.

対称性通信は,対称性と結びついたテータ関数を用いてやり取りされる.
テータ関数の持つ対称性を群の言葉(遠アーベル群)に翻訳して通信する.

そして最後に,対称性通信によって生じた,不定性を
(普通に数学が行われている単一の数学の舞台で)定量的に評価し,不等式を導く.

理論を構築した望月教授によれば,
地動説,相対性理論や量子論に匹敵する
インパクトを有する「不定性」を発見して定量化した新理論.
これは社会一般の人が信じている固定観念を打ち砕くことに繋がりかねない理論とのこと.

さらに,著者の加藤教授によれば,IUT理論は,ガロアやリーマンの仕事に匹敵する,
時代が理解するのに,時間を要する理論とのことなので
最初の一歩のところを,これ以上分かりやすくするのは無理なのかもしれない.

しかし,長すぎる前置きを削れば,著者ならば
もう少し分かりやすくできるのでは,と思い,残念である.

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