主人公はごく普通のサラリーマンの男性です。
彼はいつも自己啓発の本を読んで、「自分を変えよう!」と意気込んでいましたが
結局三日坊主で終わってしまい、やっぱり自分は変われないと思いながら毎日をなんとなく過ごしていました。
ですが、会社の先輩の友人の開催したパーティーで自分との差に愕然とします。
たいして自分と変わらない思っていたその人のパーティーには、アイドルや有名人がたくさん参加していたからです。
ショックを受けた主人公は家に帰り、酔った勢いで旅行先で購入したガネーシャの置物に「人生を変えたい」と泣き叫び、そのまま寝てしまいます。
すると次の日の朝、突然関西弁で起されます。
そう、そこにいたのは関西弁を話す神様、ガネーシャでした。
ガネーシャとはインドの神様で、人間の体にゾウの鼻、4本の腕を持っています。
財産や学問の神様として有名です。
ガネーシャは毎日1つづつ課題を出します。
しかしその課題は一見なぜそんなことをするのか分からなかったり、そんなこと当たり前だろうというものでした。しかし主人公は戸惑いながらも課題をこなしていくことになります。
なぜなら、ガネーシャと「できなかった場合、希望を取られ、一生夢のないまま一生を終える」という契約をしてしまったからです。
なので必ずガネーシャは契約前「覚悟はでけてるか(関西弁)?」と聞きます。
そして、主人公は自分で行動することで気が付いていきます。
自分が知っているだけで行動していないことがたくさんあることに。
課題をこなすとガネーシャは課題の説明をしてくれます。逆に課題をこなす前は一切教えてくれません。
ガネーシャは「まず実践すること」そして「身につくまで継続すること」が大切だと言っていました。
自分は変われると期待しているうちはいいけれど、時間が経つとだんだん自分は変われないと思い始めてしまう。その思考を続けて実践をやめてしまう事が変われない理由なんだそうです。
課題のひとつひとつは簡単で誰でも知っている事です。それを行動にするか、しないかで大きく変わっていくと思います。
このシリーズは第3段まで出ていますが、今回は第1弾を読み返して吹き出してしまいました。
水野敬也氏の本はとにかく文章の書き方がおもしろい!どんどん続きが気になって手が止まらなくなります。そして最もこの本のおもしろいところは、小説としても自己啓発本としても楽しめるところです。
例えば「19番目の課題:人のいい所を見つけ褒める」なんて小学生でも知っています。
しかし行動しているかと聞かれたら疑問です。
この本をただ読んで「良い事を知った」で終わらせるのはもったいないと思うのです。
ひとつでも良いので行動し、続けてみたら自分の知らなかった目線に気がつくことができるかもしれません。
ひとつひとつは簡単なものですが、きっとそれが大きな力になるはずです。