会計をツールとして使いこなせていますか?

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「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本

「会計知識を基にした数値の大局観があるかどうかで、できるビジネスマンがどうかが見分けられる」

「1秒だけ財務諸表を見るなら、どこかを見るか」・・貸借対照表

一番最初にみるところは、ズバリ「短期的な負債の返済能力」。企業は大抵の場合、「流動負債」が返済できなくなり倒産する。流動負債とは、1年以内に返済義務のある負債のことで、流動負債を返済するための資金繰りがつかなくなると倒産に直結する。

「なぜ、国の財政は破綻しないのか?」・・損益計算書

平成19年度の日本の歳入と歳出を見てみると、約83兆円の支出に対して、57兆円の税収がある。残りの約25兆円は国債を発行するという、借金にてまかなっているというの状況となり、プライマリーバランス(通常的に入ってくる税収などの収入と、通常の支出との収支)を達成できていいない。そういった状況下でも日本が財政破綻しない理由として、

1つは、政府の信用が維持される限り、借り換えが可能なため。国債の期日が来たら、借換え債を発行して、返済期間を先延ばしにする。
2つ目は、返済期間の調整を行えること。借り入れの際に、5年国債を10年に、さらにそれを20年、30年に伸ばせば、毎年の返済額は減るが、これは当たり前のように将来の支払い義務を増やしているだけである。

「なぜ、リニアや第二東名はなかなか完成しないのか」・・キャッシュフロー

企業も政府も、お金、それも自由に使えるお金がないと将来のための投資ができない。
東京~大阪間のリニアモーターカーや第二東名高速道路の計画がなかなか進まないのも、それに使う公共事業費が十分ではないから。
キャッシュフローに関連し、会社の価値を計算する方法として、最も一般的なものに「Discounted Cash Flow」(DCF)と呼ばれる方法がある。この考え方の基本は、企業が生み出す将来のキャッシュフローを今の価値に直したものから、現在の有利子負債を引くというもの。式にすると「将来のキャッシュフローの現在価値ー有利子負債」となり、この式からわかるように、会社の価値を上げるためには①将来のキャッシュフローを増やす、②有利子負債を減らす、のいずれかということ。

「なぜ、IT企業はブランドにこだわるのか?」・・固定費と変動費

IT産業はビジネスの特性上、初期投資がそれほど必要ないため、参入障壁が低く、また固定費が低いため損益分岐点まで比較的に少ない売上高でも達することが出来る。また変動費もそれほどかからないため、一旦損益分岐点を超えると、大きな利益を出すことが出来る。それほど、おいしいビジネスだからこそ、参入するプレイヤーが増えることは当然で、そうした状況下で他者との差別化を図るものは「知名度=ブランド」となる。IT企業のような新興企業にとって、プロ野球のようなエスタブリッシュメントな組織を保有することは、信用度の向上に大きな役割を果たす。

「なぜ、航空券には早割りチケットがあるのか」・・増し分利益

航空産業は固定費ビジネスであるため、航空会社としてフライトを飛ばす際に大切なことは、損益分岐点までの乗客を確保すること。そうするために、①普通料金でその売上高を確保すること、②人数は増えるが、割引料金で損益分岐点売上高を確保すること、③その両方を用いること。日本の航空会社では3番目の方法が採用されており、損益分岐点売上高に達するまでは、割引料金に主眼を置いている。

感想

◆食べログ基準でこの本をスコアすると3.5。

著者が読者に伝えたい会計知識を伝えるための手段として用いている具体例が非常にわかりやすく、興味を持ちながら読み進めていくことができると思う。
ビジネスマンとして会計の知識を理解する上では、「財務会計の基本」を理解することが個人的にも重要だと考えるが、この本はその後に記載されている「管理会計の基本」が普段ビジネスに関わっている人にとってはなじみがあり、より分かりやすいのではないだろうか。自分の扱っているビジネスが固定費型のものなのか、変動費型のものなのかといったことの理解はもちろん、具体的な企業を用いながら、それらのビジネスモデルが会計という視点から見たときにどういう形で作用しているのか非常にわかりやすい。

会計知識を基にした大局的な数値感を持っているビジネスマンは、仕事をする中で評価が高い、と外資系企業に勤める身としても言える。

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