人生の栄衰

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日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 イギリスの良家に勤める執事の話。現在はアメリカ人に雇われており、主人が帰省している間に、旅に出てはどうかと提案される。その旅の道中、現在と過去が執事によって語られていく。その中で見えてくる仕事に対しての向き合い方、紳士としての品格、そしてそれらによって失われた様々なものや後悔。そして旅の最後に執事は何を思うのか・・・。
 長編作品になるが、文章が理路整然と綺麗に整理されており非常に読みやすい。まるで淀むことを知らない川の流れのよう。出てくる登場人物の個性は、物語を構成するにあたって十分なほどの役割を担っており、登場人物を見るだけで時代背景が見えていくるほど。また主人公の仕事に対するプロ意識は読んでいて見習いたくなる。
 イギリスの栄衰と一人の男の人生。どこか寂寥感の感じるこの作品は、暗いだけでなくきっと心の何処かに柔らかい光を落とすだろう。

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