認知科学を利用した使いやすいデザイン追求するヒント

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誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

デザインは芸術じゃない!

誰のためのデザイン?は、認知科学をもとにデザインというものを議論している本です。
デザイン=芸術ではなく、デザイン=使いやすさの科学ととらえ、使いやすさの科学をどのように追求するかをいくつかの概念と具体例で説明しています。

以下重要な概念についてまとめました。

『直感的に』を使ってもらう(アフォーダンスと概念モデル)

アフォーダンスと概念モデルは、ユーザーにプロダクトを『直感的に』使ってもらうために利用できる概念です。

1:アフォーダンス 環境と意味

アフォーダンス(affordance)は聞きなれない言葉ですが認知心理学の言葉で、『環境』が動物に対して与える『意味』と定義されています。

少し想像してほしいのですが、ドアにノブが付いている場合、どうやってドアを開けようとしますか?

ドアを開けるためにには『ノブを回して押すか引くかする』ことは現代人にとって自明な事です。このように、ドアに『ノブ』があることによって『動作』が想起されることをアフォーダンスと読んでいます。

良いデザインとは、ユーザーが何も意識しなくてもやりたいことを実現できることにあります。アフォーダンスを考えられたサービスは、意識せずに自然にやりたい事が実現できるサービスです。

例えば、サイトに訪れてどうやれば何ができるかについて説明を読まないと全く分からないサービスを使いたいと思うでしょうか?きっと使いたいと思わないでしょう。アフォーダンスを理解する事によって得られるメリットは大きいと思います。

2:メンタルモデル ユーザーモデルとデザインモデル 

メンタルモデルは、UIとシステムがどのように連動するかの認識の事です。

ユーザーモデルは、ユーザーがUIから抱くシステムの挙動のこと(ユーザーの想定)。
デザインモデルは、デザイナーが設計したUIとシステムの挙動のこと(デザイナーの想定)。

問題は、ユーザーモデルとデザインモデルが一致しないために、ユーザーがサービスをうまく使えないことです。

例えば、車のハンドルは、ハンドルの回転方向と、タイヤの傾きが連動しています。ハンドルを右に切るとタイヤも右に、左に切ると左に向く。

前進している時はユーザーが抱くユーザーモデルと設計されたデザインモデルは通常一致します。出ないとそこらじゅうで事故が起きるわけです。

でも、初心者の人だとありがちですが、車をバックさせる時に振り返りながらハンドルを切る事で、自分の見ている左右と車の進行方向の左右が逆転してしまいハンドルを右に切っていいか左に切っていいかが分からなくなる時があります。

この時、ユーザーの抱くハンドルとタイヤのユーザーモデルと設計されているデザインモデルが乖離してしまっています。

最近では、バックする時に車の後ろの状況をモニターで見れる機能ついています。この機能によってユーザーのユーザーモデルとデザインモデルの乖離が解消したわけです。

『より早く』理解してもらう (コントローラーの対応付けとフィードバック)

コントローラーの対応付けとフィードバックは、原因と結果の関係からユーザーに機能の関連性を『より早く』理解してもらうために利用できる概念です。

1:コントローラーの対応付け 

コントローラー(スイッチ)の場所、色、形状、動かし方によって対応する出力を整理してあげる概念です。

コントローラの対応付けについても、ハンドルとタイヤの例はわかりやすいと思います。
ハンドルを右に切れば、右にタイヤの方向が向き、車体も右に向かう、左にハンドルを切れば、左にタイヤが向き、車体も左に向かいます。これが逆だと感覚的にも気持ち悪いし操作しづらいわけです。

2:フィードバック 

自分がやった行動のフィードバックがないと操作の良否判断ができないことです。

これも車の例でいうと、アクセルを踏むとエンジンの回転数が上がりスピードが出るのですが、これを計測するためにスピードメータがついています。

また、ホテルや初めて尋ねた家で電気のスイッチを押したときにを考えてもらえばいいと思うます。ONにしてもOFFにしても何も起きないように感じる時が時々あると思うのですが、そういうスイッチはフィードバックがうまく働いていないスイッチと言えます。

まとめ

使いやすさの科学としてのデザインは、ユーザーにプロダクトを『直感的に』『より早く』理解してもらうことを目指し、それを追求するものです。

そのために、デザイナーやサービスを企画する人物は、アフォーダンスと概念モデルを設計し、コントローラの対応付けやフォードバックをうまく整理してあげる事が重要なのです。

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