決して出世しない。いまだにヒラのまま。刑事、真行寺は自由人なのです。

2475viewsaki3@LAaki3@LA

このエントリーをはてなブックマークに追加
ワルキューレ-巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

五十三歳にしてヒラの巡査長、真行寺弘道の活躍を描く、「巡査長」シリーズの3作目。

主人公が異端なら、毎回、物語の展開も異色である。

元モデルで聾者の少女、麻原瞳が誘拐された。捜査を命じられた真行寺は、
瞳の母親から話を聞くが、その応対にかすかな違和感を覚えた。

しばらくして、犯人からのメッセージが届くのだが、それは、
母娘と同居するフェミニズムの論客、デボラ・ヨハンソンに対し、
これまでの思想や言動の誤りを認め、活動から身を引くよう要求するものだった。

ヨハンソンはその要求に従い、メッセージをネット配信する。

その後、瞳は無事に戻ってくるのだが…。

感想

いつも、事件の核が大きすぎて、法の範疇を超えてしまう。
挙句、犯人を追い詰め、捕らえ、「よかったね、チャン、チャン」という結末には至らない。

好き嫌いのわかれるところだ。

今回も、LGBTだの、障害者だの、遺伝子操作だの、生命倫理だの、フェミニズムだの、
一つでも手に余るのに、大挙して押し寄せてこられたひにゃ…。答えは、永遠にでないのだ。

だが、そういったことをひっくるめて、面白いと、納得させられてしまう。

それはひとえに、真行寺の、いい加減なように見え、事件にも人にも、
迷いながらも真摯に向き合おうとする気持ちや、裏切ることのない、
警察官としてより人間としての「まっとうな」考え方が、余すところなく
描かれているからかもしれない。

彼の行動にも、生き方にも矛盾がないところが何とも気持ちがいいのです。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く