情報化が進みSNSの住人となった若者たちとオトナたちのすれ違い

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なぜ最近の若者は突然辞めるのか

概要

 高度に情報化された社会のスピード感に慣れた若者たちは、合理性と生産性にこだわり、石の上にも三年というような非合理な教訓を受け入れない。また、SNSのフラットで相互監視的な人間関係に慣れているために、承認欲求を持ちながらも目立つことを極端に怖がる。

`若者たちの特徴

ヨコ社会

 最近の若者の価値観の中心にあるのは、インターネットとSNSによって生み出されたヨコ社会である。このヨコ社会は人間関係がフラットであり、形式的な儀礼よりも効率を優先し、素早いレスポンスで互いを承認し合うような社会である。このヨコ社会が中心となって、若者の価値観が形成されていく。

過剰忖度

 SNS上では、とりあえず「いいね」をするのが礼儀となっており、ウソでもいいねをするのが当たり前となっている。それが、職場では、仕事の報告をした際にそっけない対応をされるために、自分の行動に対して不安を抱くことになる。他にも、自ら「リア充アピール」とツッコミを入れておくことで炎上をさせるセルフディフェンスツッコミや、自己アピールを極限までさりげなくするなど、認めて欲しいが目立つことを極端に恐れる。

相対的自意識

 SNSで特定のキャラクターとして他人から四六時中監視を受けている現代の若者は、他人から見た自分のキャラを強く意識する。出る杭には絶対になりたくないが、身内で小さくバズりたいというのが、若者の願望をよく表している。
 また、人生を楽しんでいます、という報告が無数にあるSNSを見ることで、暇な自分に対して必要以上に被害妄想が膨らんでしまうこともある。

イミ漬け

「それって、やる意味あるんですか」という言葉に象徴されるように、意味づけのない目標に盲目的に取り組む若者は少ない。生まれた時からずっと不況下にあり、先行きの見えない社会を生きてきた若者たちには、盲目的に働けば必ずリターンがあるということを信じられない。コスパにこだわり、マネーよりハッピーを求めて副業などで自分らしく働くことを求める。

時間価値

時間を奪われることを極端に嫌い、コストパフォーマンスではなくタイムパフォーマンスを求める。必要なことを覚えておくよりもスマホで調べ、時間を無駄にするような下積みを尊ぶこともない。

若者たちとどう向き合うか

従来の欲求5段階説からすると、安全や生理欲求が満たされた状態で育った若者たちは、承認欲求や社会欲求が極端に強い。また、SNSのフラットな人間関係や高速なレフポンスに慣れた若者たちに対しては、以下のような配慮が必要である。

  • 一人一人を意識した個人レベルの対応
  • 上から目線でないフラット目線
  • レスポンスの重要性

こうした配慮を

  • 関係づくり
  • 共感を育み心理的安全を提供する
  • 内発的動機に点火する
というようなマネジメントステップに応用する。

感想

インターネットとSNSがもたらした社会の変化が、これほどまでに人の感性を変えるのだと知って驚くと同時に、若者のテクノロジーへの順応の早さに驚嘆を覚える。イヤホンを利用した手ぶらの通話が可能になってから、lineと組み合わせて徒歩通学の間中誰かと通話している学生を見ることが増えたが、一定の年齢を越えるとなかなかそうした使い方に感じる違和感を払拭することができないように思う。
そういう意味では、若者は常に新しい時代の旗手であり、次の時代にはまた次の「最近の若者」が現れるのだろう。

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