最高の組織の定義とそれに至る5段階のステージ

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トライブ―人を動かす5つの原則

概要

本書では、企業やスポーツのチーム、街の知り合いなど20人~150人程度の様々な集団をトライブと呼び、そのトライブ内で交わされる言葉の種類を元にしてトライブの文化を5つの段階的なステージに分ける。
ステージごとには明確に優劣があり、ステージ2はステージ1に勝り、ステージ3はステージ2に勝る。以下にそれぞれのステージの文化と、次のステージに移るための方法を示す。

ステージ1「人生は最悪だ」

 他者から孤立し、人生は無条件に最悪のものだという考え方をする。このステージの人間が集団を作った場合、ギャング組織などの形で絶望的な敵意が行動に表れる。
ステージ1から抜け出すためには、会食や会議や集会などの場に参加し、人生にはうまくいく場合もあるということを理解させることが有効である。

ステージ2「私の人生は最悪だ」

 ステージ1との大きな違いは、最悪なのはあくまで「自分の」人生だけであり、人生がうまくいく可能性はあるものの、自分の人生はそうではないという思いがある点である。
このステージの人間が集まると、「やってみたけど、うまくいかなかった。今度だってうまくいくわけがない」というあきらめムードが支配する。新しい試みを阻むことの多い組織には、ステージ2の人間が多く集まっている。
 ステージ2から3に至るためには、友人関係を増やすように働きかけ、短期的に成果の出る仕事を通して自己効力感が高まるように仕向けると良い。

ステージ3「私は素晴らしい」

 ステージ3の意識の根底は、「自分は素晴らしい」という考え方である。自分の能力や仕事に誇りを持ち、誰よりも熱心に活動をする。裏には、「自分は素晴らしいがお前は違う」という思いが隠れており、ステージ3の人間が集まると相手をおとしめようと必死になる。
 ステージ3がステージ4に至るためには、ひとりでは達成できないプロジェクトを中心として、3者以上の関係を築くことが有効である。
 企業組織においては、上司がステージ3にあり、部下がステージ2にあるという状況が散見される。

ステージ4「私たちは素晴らしい」

 このステージの人間は3者関係を形成し、相手との間に価値観に基づいた人間関係を構築する。自分がその組織にいることを誇りに思い、リーダーはメンバーたちに引っぱられていると感じる。一方で、「私たちは素晴らしい」の中には「彼らはだめだ」という意識が存在し、敵対する組織や企業の存在が集団の結びつきを強めている側面がある。
 ステージ4は、まずその企業文化を安定させることが重要である。価値観や利益、チャンスに基づいて3者関係が成り立っていることを堪忍する必要がある。「私たちは素晴らしい」という言葉よりも「人生は素晴らしい」という言葉を用いるようにする。

ステージ5「人生は素晴らしい」

 ステージ4と似た特徴を示すが、ステージ5では自分たちと価値観が共鳴するならどんな人とでも限りなくネットワークを広げていくことができる。ステージ5の文化は、歴史を変えるほどのプロジェクトが存在しているあいだ、あるいは競争相手を寄せ付けないほどトライブが先端を走っている間だけに観測される。

感想

 リーダーシップ論、組織論として、集団をステージにわけ、ステージごとに異なった介入方法が必要であるという点が画期的だと感じた。
 上司がステージ3で部下が2というように、集団だけでなく個人に対しても適用されており、個人が集まった結果として集団のステージが決まるという側面がある。
 それぞれのステージを作りあげている心理学的、社会学的要因についての分析はあまりないが、ステージ1や2は、精神疾患やトラウマ、ストレス反応などと関係が深いように感じ、ステージ3や4は社会ネットワーク論などと関係が深いように感じられた。

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