読み応えあります(前編)

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君たちが忘れてはいけないこと: 未来のエリートとの対話

佐藤 優が年1回,2016年から2018年の3年間にわたり,灘高生と議論した内容が年別に掲載されている.
佐藤 優の考えに全て納得,腑に落ちたというわけでもないが,疑問に思う論点も含めて本書にある中で興味深かった議論をトピックでまとめて示すことで紹介します.このトピックは私が勝手に分けたものです.
大人も読める良書だと思います.

【軍事,アメリカ,国体】

対米従属論に関して,
日本は,アメリカに言われているから,われわれは,こうするしかないのです.
と,都合よくアメリカのせいにしている部分がかなりある.
私は外務省の中でそういうのを山ほど見ているから,単純な対米従属論は信用しないんだ.

宇宙空間が軍事利用されていないのは,アメリカがスペースシャトル計画に失敗して,ロシア(のソユーズ)に頼っているから.国際宇宙ステーションがあるおかげで,宇宙の軍事利用ができないわけなんだよ.

GPSは有事の際にアメリカの一存で全て切ることができる.そうしたら世界中のGPSに依存している機器やシステムは,全て使えなくなります.韓国や中国の軍事システムの一部もGPSに依存している.しかし,今後,中国が準天頂衛星を持って高度な通信システムを持てば,GPSに依存しないですむようになる.

ポツダム宣言を受諾した時,天皇は連合軍最高司令官に隷属する,とあるところを
制限の下に置かれると訳した外務省は,国体を守ったのは自分たちだという意識がものすごく強い.

皇室が自分たちの子供の教育を学習院ではなくICUで受けさせるのは,皇室は復古主義を望んでいません.
戦後国体という価値観に則っています,というアメリカに対するメッセージではないかと私は見ています.

沖縄問題の一番のボタンのかけ違いは,中央政府の目には,自分たちの味方が敵に見えていることなんだ.
翁長さんは敵ではない.辺野古移設を強行すること以外なら,伊江島だって嘉手納だって構わない,ホワイトビーチに航空母艦を横づけするのも仕方ない,なのにどうして新たに辺野古に巨大な基地を作るんだと言っているだけなんだ.

沖縄には,抵抗することは我慢することだという独特の空気がある.

アメリカ軍が日本に駐留してるのは,台湾海峡有事のためではなく,中東のためだ.
しかもこれだけアメリカと中国の経済が緊密になっている中で,アメリカが中国相手に抑止力ゲーム
を行えるのだろうかという疑問もある.結局,基地が沖縄にある必然性は全くない.

仮に日本がアメリカに対し,牙を剥いたとすれば,アメリカは黙って核ミサイルを打ち込んでくるだけです.
核ミサイルがある時代においては,在日米軍=日本の再軍備を抑える壜の蓋という旧来型の解釈をそのまま受け取らない方がいい.

アメリカは確かに弱くなってきているけど,未だ世界の超大国.中国とロシアとEU全部と日本とで連合艦隊を組んでアメリカに上陸しようとしたって,ハドソン川すら渡れない.そのアメリカも,アフガニスタン,イラクすら平定できない(その大きな理由は山があるから).これが国際社会の現実だ.

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