「アルバイトをしませんか?」。所轄の女刑事が助手に雇ったホームレスは、警察学校時代の教官だった。

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枯葉色グッドバイ (文春文庫)

羽田のマンションで家族三人が惨殺された事件では、
たまたま友人宅に出かけていた高校生の長女、美亜が生き残っていた。

事件から半年ほどたって、美亜の友人の絞殺死体が
代々木公園傍で発見される。

羽田事件との関連を探るべく代々木公園に出かけた吹石は、
一人のホームレスを見かける。

そのホームレスは、かつて警察学校時代の逮捕術教官、椎葉だった。
椎葉は警視庁捜査一課の優秀な刑事だったが、
自らの過失から娘を亡くし、すべてを失っていた。

一家惨殺の生き残り、近親相姦、レイプ殺人と、重たい出来事の間を
ゆらゆらと漂いながら、この異色コンビは真相に近づいていく。

感想

ため息をつきたくなるような重苦しい事実が明らかになって行くのだが、
ページをくる手を止めさせないのは、洒脱な語り口とシニカルな
ユーモアがにじみ出る文体のせいか。

樋口ハードボイルドが泥臭くなくオシャレなのは、
この軽妙な文体でテンポよくワタシたちを結末まで
連れて行ってくれるからだろう。

面白さは減速することなく続くが、最後に切なさが残る物語である。

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