人の悪意をモロかぶりし、悪態をつきながらも奮闘する葉村。アンタはエライよ。

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静かな炎天 (文春文庫)

葉村晶シリーズの5作目。

「青い影」「静かな炎天」「熱海ブライトン・ロック」「副島さんは言っている」
「血の凶作」「聖夜プラス1」の6編が収録される。

どの作品でも、厄介ごとに巻き込まれ、いや、葉村のほうから
巻き込まれに行っている感も。

悪意や殺意、相変わらず、オンパレードです。

感想

登場人物のあまりの理不尽さに憤死寸前になった。

特に、最後の「聖夜プラス1十二月」の店主、富山をはじめとする面々の葉村に
対するやり口には殺意さえ覚えた。

それでも、よせばいいのに事件に巻き込まれていくのは、その好奇心のなせるわざか。

過去の作品で、実の姉に殺されかけるという、
ハード極まりない事件に遭遇するのだが、それも、彼女の好奇心。
「好奇心は猫をも殺す」と言われているんだし、それに葉村、アンタももう若くはないんだから、そろそろいい加減にしておかないと。

シニカルな語り口はパワーが落ちていない。
その物言いには苦笑させられるが、それでも気持ちいいのは、ファンの心の声の代弁者だからだろうか。誰にもおもねることをしない潔さからだろうか。

人の悪意をもろ被りしても、不運が次から次へとやってきても音をあげない、実にタフな女探偵。とにかく、大好きだ。

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