1冊入魂「原点回帰の出版社」

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計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話

1冊の力を信じる 自由が丘のほがらかな独立系出版社 ミシマ社。
創業から5年間の出来事を 社長である著者 三島邦弘が振り返る。

どの企業にもある創業当時の苦労話ではあるが、
三島氏の本を愛するがゆえの1冊入魂の本作り、
読者へとこころが通うことを願う手売りの営業など、
大手出版社とはことなるスタイルをつらぬく熱い気持ちに共感する。

三島氏の熱い思いとはうらはらに、
表出してみえる振る舞いや行動が、悪く言えば短絡的、よくいえば天才的嗅覚な
ところに、面白みがある。

既成の出版業界に疑問をなげかけ、たった一人のドンキホーテとして
スタートしたからには、資金繰りや経営方法に綿密な準備があり、
未来へむけた確かな構想があったのかと思いきや、表題にもあるとうり、
かぎりなく無計画に近いのである。

計画線ーーー絶対に守らなければいけないことや、納得のいかない多数派の意見も含まれる。
無計画線ーーーこの線までは、自分が動いても大丈夫。ただしそれより先は危険エリア。

この2本の線にはさまれた自由なスペースで三島氏は徘徊するので、蚊帳の外である他者には
突発的無計画なる印象をうけるのである。
さらに、三島氏のもとに集まってくる個性的な凸凹メンバーが、抱腹絶倒ものである。

ミシマ社の会社概要のトップに掲げられる言葉
「原点回帰の出版社」
それは簡単にいえば、
「料理は熱いうちに提供するもの」 
大手出版社のような、1冊の本をつくるにあたり、たくさんの人が介し時間を使うことは、はたしてベターなのか?
編集会議でねられ多くの"うちの部署"を通過し、印刷、製本、配送とすすむうちに
その元々著者と編集者がもっていた熱量が薄れてしまうことに、最大のやるせなさを三島氏は感じているのである。

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