重度自閉症者が自立生活を送るために【月刊福祉2019年5月号】

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月刊 福祉 2017年 08月号 [雑誌]

タイトルの通り、月刊福祉2019年5月号を読んだのだが、なぜかAmazonでは2019年の同誌がヒットしない。かわりに2017年8月号の画像を使用する。

本稿では、2019年5月号の特集「障害のある人の社会参加をすすめる」の中にある、「重度自閉症者が地域で当たり前に暮らすためにーー社会福祉法人はるにれの里の取り組みから」という記事から一部を抜粋・要約する。

■一人暮らしを10年つづけるAさん■

 重度自閉症者といえども必要な支援があれば、一人暮らしができる。はるにれの里はそう説いて、グループホームから一人暮らしへと移行するための支援を行っている。
 具体例として、重度知的障害を伴う自閉症のAさんは、一人暮らしを始めて今年で10年になる。日中は生活介護事業所で過ごし、夕方から翌朝まで民間のアパートで暮らす。かつてAさんは、グループホームでの集団生活に慣れず、他者をたたいたりドアをけったりする姿があった。そこでAさんが望む暮らしについてスタッフが評価と分析を繰り返し、最終的に行き着いた結論が、一人暮らしであった。
 一人暮らしによって、Aさんは、他害行為や破壊行為がなくなった。さらに、10年前にはできなかった「待つ」ということができたり、新しい活動にも落ち着いて取り組めるようになった。現在、地域にある五つの居宅介護事業所の12人のヘルパーに支えられ、地域の中で自律的な生活を送っている。(自律の字は本文ママ)

■地域活動への積極的な参加■

 はるにれの里は、今まで34か所のグループホームを札幌・石狩地区に整備してきたが、その歴史の中で、地域住民からの強い反対や抵抗も経験している。説明会を行った際には「どうしてここなのか」「彼らを受け入れる我々のメリットは何もない」「小さな子どもが外に出られなくなる」等々、一部の住民が過剰に反応することがあった。そのつど、丁寧に説明をして理解を得てきたが、やむなく撤退した苦い経験もある。
 今日では、グループホーム開設にあたり、説明会だけではなく、住み続ける中で理解を得ることを目標としている。町内会に必ず加入し、総会に出席し、お祭りや除雪をはじめとして町内活動に参加し、班長・区長などの役割を担ったりしてきた。そのなかで、障害者への理解を広げる取り組みを一歩一歩すすめている。

■一人暮らしを支える上での今後の課題■

・人材の確保と育成(夜間業務にあたるケアスタッフ)
・家族の支援(レスパイトや緊急ショートステイ)

感想

激しい行動障害をもった重度自閉症者が、在宅からグループホームに直接移行するという取り組みを、はるにれの里が始めた当時、そのような例はなく、「無茶な取り組みだ」と批評を受けたという。しかし入念な計画によって、それを実現したのだから、本当にすごいと思う。これからも応援したい。

昨今、障害児・者への支援はますます拡充され、多様化している。だからこそ、ほかの事業所とのサービス調整の枠組みが、重要になっていくのだろうとあらためて思った。
(令和元年5月24日読了)

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