サイゼリヤが急成長を続けることができるポイント

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おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

はじめに

 現在、店舗数国内860店、海外約80店とイタリアンレストランをチェーン展開するサイゼリヤは、厳しい環境にある外食産業界において、急成長を続けている。
 本書はそのサイゼリヤの創業者による初の著書であり、その経営手法や考え方が書かれており、飲食業に携わっている方は必読といえる。

ポイント

・タイトルの意味
 この書籍のタイトルである「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」に、創業者である正垣泰彦氏の物事に対する見方が凝縮されている。これには、目の前の現実を謙虚に受け入れて、本当にお客様が満足されることはなにかを見極めようという思いが込められている。
 おいしいものを提供しているはずなのになぜ売れないのかという考えは現実を見ていないということであり、景気が悪いから、立地が悪いからと売れない原因を自分以外の他に求めてしまうことになる。それでは、正しい経営判断を導けない。
 ありのままを見るため日創協は以下の2つの方法が有効である。

 ①店で起きているあらゆる現象を観察し、可能な限り数値や客観的なデータに置き
  換えて因果関係を考えること
 ②「なぜ、そうしたことが起きているのか」と考えるだけでなく、「なぜ、自分は
  そう思うのか」と何度も自問すること
 

・理系経営者の経営手法
 著者の正垣氏は、東京理科大学在学中にサイゼリヤを創業している。理系出身ということもあり、出来るだけ数値に置き換えて物事を判断する材料を集める。
 たとえば、おいしさ=客数とすること、主観的・抽象的なおいしさを評価するのに、「ルック(見た目)、」「アロマ(食前の香り)」、「テイスト(味)」、「フレーバー(食後の香り)」、「プライス(価格)」という5つ要素で点数化する、投資の意思決定方法、人時生産性など、数値化の難しいものまで数値化し、仮説・検証のサイクルを絶えず回しているのが当社の経営の特徴である。

・経営理念に忠実
 経営には変えていくものと変えてはいけないものがある。変えていくものは日常業務であり、週単位の見直しが必要である。変えてはいけないものの代表例は、経営理念である。
 当社の経営理念は、「人のために・正しく・仲良く」というもの。

 ■「人のために」⇒お客様に喜んでいただけたかを計るバロメーターを客数と捉え、
          客数を増やすことを最優先で考える
 ■「正しく」⇒正しく経営をしていこうという意味で、会社も従業員も喜ぶことを
        やろう。皆で話し合ってそれをよりよくしていこうという意味。
        その実現のためにあらゆる作業を標準化し、改善し続ける。
 ■『仲良く」⇒従業員仲良くやっていこうという意味であり、そのために公正で
        客観的な評価をする仕組みを構築・運営していく。

 当社で働く人間は、トップから現場までこの理念に沿った行動をしなければならない。一般的に経営理念はお題目になりがちであるが、当社の場合、それが日々の業務の中に数値として落とし込まれており、皆がそれに向かってまい進できるため、理念の意味を把握しながら、経営にあたっている。

・客数増が全て
 客数を伸ばすために当社が行っていることは、値ごろ感のあるおいしい料理を作ることである。その一つの手法が核となるキラー商品を開発すること。当社でいえば299円のミラノ風ドリアである。メニューを絞り込むことで、食材ロスが減り、作業効率がよくなることで利益がでる。利益の一部をお客様に還元するために値下げをすることでさらに客数が増える。このように無駄をそぎをトスコとで、お値打ちな商品になり、お客様に喜ばれることになるのである。
 そして、絶対に仕入に手を抜かない。味の8割は食材で決まるという信念のもと、仕入先の選定に加え、値切らないこと、また、自社の料理に合う食材を求めて独自で種から開発するなどの取り組みを行っている。
 原材料は下げないため、その他のコストを削るしかない。それは例えば、店でほとんど調理しなくても提供できるように、セントラルキッチンである程度まで調理を施すことで、手間を省いたり、他にも便利道具の開発、スタッフの多能工化を図ることで、コストを削っている。

感想

 いい企業はストーリーを持っているというのが評者の考えであるが、サイゼリヤにもこれが当てはまる。その出発点となっているのが、「人のために・正しく・仲良く」という経営理念であり、これに沿って経営が行われており、人の評価、会計制度、店舗管理指標などの仕組むが整えられている。
 そして、なにより著者の、物事をありのままに見て、自分に原因がないかと考える姿勢こそサイゼリヤの躍進の一因といえると感じる。

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