水いらず主人公の「リュリュ」の物の見方

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水いらず (新潮文庫)

はじめに

サルトルの代表作です。

この本は短篇集なのですが、本のタイトルになった「水いらず」に絞り、
主人公の「リュリュ」の物の見方を中心に据えてまとめてみたいと思います。

リュリュの恋愛観

この人はわたしを愛しているけれど、わたしの腸を愛してはいない。
もしわたしの盲腸を壜(びん)に入れてこの人に見せたら、まるで見当もつかないだろう。
この人は、しょっちゅうわたしの体をいじるけれど、もしその壜を手に持たせたら、気持ちのなかになんにも感じはしないだろう。
「これは女房のものだ」とは思わないだろう。
好きならその人の何から何まで好きになるのがほんとうのはずだ。

リュリュから見た男性の身体

男のものがドレスのような服の下にあると、ふんわりして、大きな花みたいだ。
でもじつをいうと、あれをほんとに握るわけにはいかない。
じっとしてさえいればいいんだけれど、まるで虫のように動き出す。
堅くなる。堅くなると気味が悪い。上向きになるなんて露骨だわ。
ほんとにけがらわしいわ、セックスなんて

リュリュが夢想する理想像

女の子のように純潔な、美しい青年を知ってみたい。
つれだって海岸を散歩しよう。手と手を取りあおう。
そしてよるになったら対のベッドに寝て、兄と妹のようにしていこう。
そしてひと晩じゅう語りあかそう。

リュリュのアンリー(夫)への想い

わたしはここにいる。
寝つかれないで、くよくよものを思っている。
それにこの人のばかったらいびきなんかかいている。
もしわたしを抱きしめて哀願したら、もし「おまえはおれにとってはすべてなんだ、リュリュ、おれはおまえを愛している、行っちゃいけない!」と言いさえしたら、犠牲になってここにいるのに。
そうだ、わたしは一生この人とここにいる。この人を喜ばせるために。

リュリュのセックス観

ピエール、あの人が例のうぬぼれた顔をして「おれには技巧がある」なんて言ったら、わたしはあの人をひっぱたきたくなる。
ああ、人間とはあれなんだ。衣装を着るにも、肌を洗うのも、おめかしするのもあれのためなんだ。
どんな小説でもあれのことを書いている。人間はたえずあのことを考える。
がけっきょくそれはこういうことだ。
男とどこかの部屋へ行って、男に半分窒息させられること。

リュリュの人生観

波が人を運んでいく。それが人生だ。判断することも理解することもできない、ただ身をまかせるばかりなのだ。
(中略)
一等旅行はこれがはじめてだ。万事はすべてこうしたもので、わたしは何年も前から一等で長い旅行をしたいと願っていたが、いざそうなったときには、たいしてうれしくもなんともないようなふうに事が運んでいく。

著者紹介

ジャン=ポール・シャルル・エマール・サルトル(フランス語: Jean-Paul Charles Aymard Sartre, 1905年6月21日 - 1980年4月15日)はフランスの哲学者、小説家、劇作家、評論家。内縁の妻はシモーヌ・ド・ボーヴォワール。強度の斜視があり、1973年に右目を失明。(wikipediaより抜粋)

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