いつもの1杯を豊かにするにはどうすれば良いか。科学が教える、おいしいコーヒーを入れるコツ。

7587views小次郎小次郎

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コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

焙煎するとき/

焙煎するほど苦みが強く、酸味が弱くなる。

深く煎るするほど、苦みの主要因である褐色色素が増え、逆に酸味の正体であるキナ酸やギ酸、酢酸が熱分解される。

豆を使い、焙煎後できるだけ早く飲む

古くなると化学変化を起こすことで香りの成分が抜けていく。
粉は豆に比べて劣化が数倍速い。
※油脂の酸化は主な原因ではない。抗酸化成分のためか、コーヒーの油脂の酸化はひじょうにゆっくり

豆を挽くとき/

均一にできるミルを使うと安定して淹れられる

粉の均一性が低いと、大量の微粉が発生してコーヒーの味が損なわれることがある。
もし粉ふるいなどで微粉を取り除いたときに味がはっきり変わるようなら考えたほうがよい。
ブレードグラインダーではなく、コニカルカッターやフラットカッターを使うべき。

コーヒーを淹れるとき/

アルカリ性の水を使うと酸味を弱められる

日本の水道水は中性でコーヒーは酸性なため、アルカリ性の水で淹れると酸味が弱まる。
だからといってpHが高ければよいわけではなく、あくまで酸味の強さを調整するための一つ。

湯の注ぎ方で酸味と苦みを調整できる

酸味成分と苦み成分の総量は原料で決まるが、淹れ方によってそれをどの程度抽出するかを変えることができる。
コーヒー抽出において、苦みはゆっくり出る。酸味はわりと早いうちに出る
したがって、

  • ①粉に接しているときの湯温を高くすると、足の遅い苦み成分の比率が大きくなる。
  • ②抽出時間が長くなるにつれ味の総量が増え、また苦み成分の比率が大きくなる。
  • ③粉を細かく引くほど味の総量が増え、苦みの比率も大きくなる。

ペーパードリップの場合の注意

ペーパードリップは、

  • ①抽出時間が決められない。同じ抽出時間でも、湯を何回に分けて注ぐかで変わる
  • ②粉の大きさやドリッパーによって濾過速度が違うため、抽出時間も変わってしまう
ために難しい。
フレンチプレスやサイフォンのほうが安定して淹れやすい

コツ①:お湯を注ぐとき、粉の層が薄いドリッパーの周辺部は少なめに、層が厚い中心部は多めにする。
コツ②:穴の面積が小さいものほど濾過は遅くなり、湯の注ぎ方に影響されにくく安定したコーヒーが入れられる。
コツ③:どうしても濾過の速度を遅くしたい場合は、ペーパーを二枚重ねにすることも。
コツ④:ペーパーににおいがあってコーヒーの香りを邪魔することがあるため注意。

焙煎直後の豆は濃いめに入れる

焙煎直後の豆を使うと、二酸化炭素の泡がたくさん出る。
泡自体は味に影響しないが、湯と粉の接触が妨げられることになるので、同じように入れると薄めになってしまうことに注意。

飲むとき/

コーヒーの風味は淹れてからも変わっていく

コーヒーの風味は時間とともにどんどん変わっていく。

  • ①味覚の温度特性の問題。冷たいほど苦みや甘みは感じにくくなり、酸味は感じやすくなる
  • ②成分の変化。たとえばキナ酸が熱湯中で次第に酸味につながる部位を示すため、酸味が強くなる
  • ③酸素のためによい風味が奪われていく
基本的には淹れたてを飲むべき。

保存するとき/

ガスバリア性の高い包装を

袋にも「ザル同然」のガスバリア性が低いものもある。まずは長期保存委耐えうる包装をしてある商品を選ぶ

冷凍庫で保存する

保存温度が低いほど保存性は高いため、冷凍庫に入れる。
ただし、常温に戻すのに30分ほどかかる。その前に開封してしまうと薄くなったり香りが弱くなったりすし、結露のために豆の水分がぐっと増えてしまう

感想

上記の要約は、とりわけコーヒーの豆をおいしく淹れるときに注意すべきことに絞ってまとめています。
省いた事項として、たとえば焙煎についての様々な内容や、細かい化学的な成分などについても本書には詳しく書かれています。

普段からコーヒーを飲まれる方は多いかと思いますが、そこには奥深い世界があることがわかります。
筆者のコーヒーへの愛情が感じられる1冊です。

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