ヘッテルとフエーテル

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ヘッテルとフエーテル (幻冬舎文庫)

最低限知るべき金融知恵を物語で伝えるというコンセプトで書かれた物語

子供のころから読み聞かされてきた物語から、世間との付き合い方、やってもいいこと、いけないことを多くの人は憶えてきたが、こういった昔話や童話の中に、お金の話はほとんどない。

主人公がお金持ちになる話はいくつもあるが、主人公がお金にだまされてひどい目にあう話や、誰かがお金を稼いだ悪者を出し抜くような話は、あまり記憶にないように思われる。

テレビや新聞では「オレオレ詐欺」や「円天詐欺」「年金問題」「株で大損した」などの話をたくさん耳にするのに、この資本主義全盛の世の中にお金の寓話がないのはおかしい。

昔から、色んな手口で大勢の人が騙されている。儲け話を聞いたときに、そんな美味しい話はないと判断できる寓話がいま何よりも必要だ。

第1話 ヘッテルとフエーテル

上昇株を予言するメールによる投資詐欺。
本当に100%儲かるなら、わざわざ赤の他人に教えない。
これだけ知っておけば、この手のだましに引っかかることはない。

第2話 カネヘルンの笛吹き

自己啓発本に感化された女性の物語。
「断る力」を駆使、ボランティア活動、投資信託。
誰かに認められたいという自尊心、他の人よりも目立ちたいという気持ちは狙われる。詐欺に限らず女性が消費するすべての産業はそれを行っている。

第3話 ピノキオ銀行

高齢夫婦を狙った大手銀行による金利搾取と貸し剥がし。
土地・家の相続税が高額になると脅しをかけ、融資したうえで変額保険を組ませる。(保険会社とは裏で組んでいる可能性が高い。)
大手銀行や証券会社は訴訟対策が万全なので、裁判に応じてくることが多く、個人ではまず勝てない。TVコマーシャルのスポンサーとしても大口なので、報道されることも少ない。

第4話 アホスギンちゃん

年金制度についての話。
政府の計算は、どう考えても起こらないような奇跡をベースに作った数字で行われている。払われた年金用のお金を政府が私的に流用していることも重なり、破綻は目に見えている。

第5話 ヤンデレラ

「円天詐欺」をモチーフにした話。マルチ商法にも当てはまる。
毎年元本と同じ金額が自分に還元されることが不可能なことは、数学どころか算数さえできれば引っかからない。かんたんな算数で理解できないものには、大金を投資しないこと。

第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO

「ホワイトバンド」をモチーフにした話。
運営団体は「募金ではなく、考えるきっかけを作った」ということをHPで主張していたが、多くの人は募金と認識した。実際は運営会社の制作費・流通費・広報費・活動費になっただけで、途上国には寄付されなかった。

第7話 王様の金はロバの金

国が積極的に薦めた株の話。
証券会社が算出した相場の倍以上の金額で国民に売りつけ、暴落した後は購入者の自己責任と一蹴した。

第8話 裸のフエーテル様

貧困ビジネス、弁護士による借金整理。
実際には金貸し業者とグルになっており、借り換えでキックバックをもらっていた。結果として債務は1本化されたが、支払いが長期化したことで利子が高くなった。
ボランティアだったら、数十万円もかかる電車広告を出せるはずがない。

ヘッテルとフエーテル (幻冬舎文庫)

ヘッテルとフエーテル (幻冬舎文庫)

  • マネー・ヘッタ・チャン

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