失敗から学べない原因。失敗から学ぶための考え方

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失敗から「学んだつもり」の経営 (講談社BIZ)

概要

「失敗から学ぶことは大切です。しかし、私たちは失敗から「学んだつもり」になって満足し、同じような失敗を繰り返していることも多いように思われます」

「「失敗から学んだつもりは」は「つもり」になって満足してしまったぶん、「失敗から学んでいない」よりもさらにたちの悪い問題です」

専門分野はM&Aを含む経営戦略立案・実行とそれに伴う意思決定、戦略実行の評価と組織的学習で多くの著書も執筆している著者は上記のように語ります。

本書では、組織、個人でも起こる「失敗から学んだつもり」の仕組みを掘り下げ、どうしたらこのややこしい問題に対応できるかを、考える一冊です。

以下、印象に残った箇所を抜粋します。

失敗から学べない4つの理由

①同じような失敗を繰り返している
 ・本当の失敗に気づかず表面的な原因、もしくは学んだことが一過性

②戦略が迷走している
 ・失敗したからといって、ころころ戦略を変える

③羹に懲りて膾を吹く(リスクをとらなくなっている)
 ・学んだつもりで過去事例にとらわれすぎる

④泥沼にはまる 
 ・学んだつもりで成功するまで続けようとして失敗を繰り返す

失敗から学んだつもりになる4つの原因

①因果関係の複雑性
 ・因果関係が複雑で、目立つ、わかりやすい理由を挙げて理解した、対策を打ったつもりになっている

②バイアス(心理的な傾向)
 ・アトリビューション・バイアス:「失敗の原因を目立つ理由に求める」「失敗はリーダーのせい」と考えやすい
 ・ハイドサイト・バイアス:結果がわかってから、結果に相応しいように無意識で記憶を組み替えてしまう

③戦略実行時における妥協
 ・経営トップが戦略を決めても現場が非協力的で当初の計画通りに進んでいなかった

④「失敗から学ばなくてならない」という強迫観念
 ・何が原因かという本質よりも、「わかりやすい」「説明しやすい」を重視して別の原因にしてしまう

「失敗から学ぶ」2つのレベル

レベル1:失敗の原因を明らかにして同じ失敗を繰り返さない
 ・予想外の事故や、現場のミスなどによる失敗

レベル2:より深いところに因果関係の前提である戦略の新しい見方を学ぶ
 ・前提で立てていた戦略自体(「あるべき姿」「成功のイメージ」)が誤っていた

「失敗から学ぶ」ことの本質

◆失敗の裏返しが、成功になるとは限らない
 ・失敗をしなくなること=成功することではない
 ・間違ったことをしなくなればマイナスではなくなるが、プラスは生まない

◆「失敗から学ぶ」とは
 ・想定できなかった事例や動きの「気づき」「発見」を通じて、成功パターンの仮説(戦略)づくりの「見方を変える」こと

◆失敗から簡単には学べない
 ・よくある失敗から学んだは、最後の成功の一瞬だけをいっている
 ・それまでに仮説を立てて失敗をするを何度も繰り返している

「失敗から学ぶ」条件

◆個人の3つの条件
 ①自分のバイアス(クセ)を認める
  ・自分にはバイアスがかかっていると認識する

 ②よく観察する
  ・観察力を高めれば、学びの質をアップできる

 ③説明をしない
  ・失敗から学ぶの核は新しい「気づき」「発見」
  ・持っている知識で無理して説明しようとすると「学んだつもり」に陥る

◆組織の5つの条件
 ①失敗を認める
  ・失敗をオープンにしないと学ぶことはできない

 ②失敗のプロセスを残す
  ・一連の意思決定のプロセス、実行プロセスに関することを明確にする

 ③最小公倍数を求める
  ・すべての人がすべてのことを理解させようとすると細部が伝わらない

 ④繰り返す
  ・新しい仮説構築作業を繰り返すことで成功パターンを見つけられる
  ・学んだつもりにならないようにくり返し気をつける

 ⑤要領よく学ばない
  ・効率を求めれば、バイアスで「学んだつもり」になってしまう

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