忘却の整理学より忘却力を身につけるポイント紹介!

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忘却の整理学

概要

「コンピューターを念頭において人間の知的活動を考えたならば、創造的思考がもっと人間らしい活動であることは明らかになるはずで、その独創の土壌になるのが忘却である」

「忘却がないと、知識は途方にくれる。知識は利用されるのを待っているのであって、それだけで、思考、創造をおこす力をもっていない、むしろ、そのままでは自由な思考の妨げになるおそれは十分である」

「ナマの知識は使い物にならない。忘却をくぐらせて枯れた知識のみが新しい知見を生み出す。」

「どうして知識が独自の思考に結びつかないのか。両者の間に忘却を考えないと、説明がつかない。
 知識をいったんかなりの部分を、忘れたあとで、もとの知識から離れてオリジナルな思考が生まれる余地が生じる」

日本語論の分野で、独創的な仕事を続けいる著者は上記のように語ります。

本書では、忘却を巡るエッセイを集めたものです。

以下、印象に残った箇所を抜粋します。

忘却と記憶

◆忘却は記憶とセット
 ・忘却とは、困ったことではない。それどころか記憶と同じくらい大切な心的活動
 ・両者は対立関係にあるのではなく、セットとして、共同のはたらきをしていると考えるべき
 ・忘却がなくては記憶が存在しないし、忘却がなくては記憶はその力を発揮できない
 ・忘却によって整理され、きれいになった頭で新しい知識、情報などを取り入れる、それで記憶がはたらく

◆記憶の順序
 ・ハングリーになるには腹にたまっていることを排泄すること、つまり、忘却をはたらかすこと
 ・まずは忘却、そして記憶、忘却してから記憶という順序になる
 ・忘却から記憶、忘却から記憶というようにすれば、われわれの頭はずいぶん能力が高まる

◆忘却は記憶より重要
 ・忘却は記憶はよりも始末が悪く、思うようにならない
 ・自然に、必然的、本人が望むと望まないとを問わず、勝手にどんどん忘れるようになる

忘却力

◆忘却力を高める
 ・忘却とは力である。忘却力とは破壊的ではなく、記憶力を支えて創造的なはたらきをもっている
 ・知識・情報社会と言われるようになると、自然忘却だけでは、ゴミがあふれることになりかねない
 ・記憶を意図的に廃棄しないと、頭がゴミで埋まってはたらかなくなる恐れがある
 

◆知的メタボリックの予防法
 ・情報社会になると、入ってくるデータ、知識などは、自然の消化力オーバーして、増大、保存、滞留するようになる
 ・これが、長期にわたると、余剰な記憶、データが、精神的に悪作用をおよぼすようになる
 ・知的メタボリックはの人や博識者はときに思考をほとんど休止させ、知識を利用、応用によって、問題を処理いていて、創造性に欠ける
 ・もっと有効な対症療法は、忘却力を高めることである

◆ハイブリッド思考をつくる
 ・本を読むのはほかの人が考えたことの跡をたどり、追うことである
 ・いくら本を書いた人の先に出ることは叶わない
 ・本を読むことを途中でやめて、その先を自分の頭で考える努力をしてみる

忘却の効果

◆失敗を消し去る
 ・記憶はなにもかもすべて覚えようとする。
 ・忘却は、成功したところ、よいところだけをのこし、よくないところ、失敗したことが、後に尾をひいて繰り返されないように、取り払ってくれる

◆歴史を生む
 ・人間の頭は、インプットを風化させるアウトプットのはたらきを併せ有しているから、思い出が生まれ、歴史をつくることができる

◆浄化作用
 ・忘却は不要、不純、よけいなものを洗い落として、純化、昇華させるかけがえのない作用をもっている

◆知識を確立
 ・覚えたことは一度、忘却にさらすことによって、命のある知識になるのである

◆頭のはたらきを高める
 ・頭を良くすることはできなくても、頭の中をきれいに冴えたものにすることは不可能ではない
 ・忘却はそのもっとも有効な手段、方法である

最後に

◆忘却は人間の自由な思考、自由そのものへの道を拓くもの
 ・人間はつねに、知識、感情、欲望、利害などに、”しばられ”ている
 ・その呪縛を解き放つのが他ならぬ忘却である

忘却の整理学

忘却の整理学

  • 外山滋比古

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