キリンビール・マーケティング部のチーム体制、商品開発の掟

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ヒットを生み出す最強チーム術 キリンビール・マーケティング部の挑戦 (平凡社新書)

■3/1000
「新商品1000のうち、翌年まで生き残るのはせいぜい3つ」と言われるほど競争の激しい清涼飲料業界。その中で、缶コーヒーのFIRE、生茶、アミノサプリ、午後の紅茶のリニューアル…など、数々のヒットを生み出してきた著者。

モノが売れないと言われる時代の中、どうやってヒット商品を開発しているのだろうか?

チーム体制

著者の仕事スタイルの特徴は、チーム体制をとっていることと、人の心にフォーカスしていること。

■チームメンバー(社内)
従来の縦割り組織だと、部ごとに上層部の決済をもらうのに時間がかかるし、ネガティブな意見によって、途中でつぶされてしまう可能性が高い。⇒開発、営業、広告、資材といった部署ごとに担当をつのり、ひとつのチームとして商品開発を進める。

■チームメンバー(社外)
社外のフリーランスのデザイナーやコピーライター、広告代理店の営業マンなども、チームメンバーとして加え、課題を共有し、真剣に意見を戦わせながら、一緒に考えていく。そこに仕事を発注する側、受注する側といった妙な上限関係はない。クリエイターや職人たちをいかに本気にさせるかは、開発者の手腕にかかっている。

■ヒットを生むチーム
組織や業界の因習にとらわれず、一歩も二歩も時代の先を見ているクリエイターと、いい意味で凡人たる開発者の意見がぶつかることで、大衆に受け入れられやすい「半歩先」の新しい視点が生まれる。また、社外の人たちの意見を聞くことで、早くから消費者の視点に気づけるメリットもある。何より、同じチームで"共犯意識"を高めることで、社外メンバーのやる気も全然違ってくる。

■人選
チームメンバーの相性は大事だが、気の合う人を選んでチームを組むのはご法度。価値観が近い人間同士が集まって仕事をすると、チームはまとまりやすいかもしれないが、なあなあの雰囲気に流される恐れもある。ぬるま湯体質から、斬新なイノベーションは生まれない。タイプの違う人間の長所と長所が掛け算されてこそ、"幸せな化学反応"が生まれやすくなる。

■リーダー
・チーム制だが、意見が割れたら最終的にはリーダーが決める。民主主義で物事を進行していては、斬新なアイデアは生まれない。合議制で中庸をとるようなやり方はもっとダメ。

・どんな反対勢力にも負けずチームをゴールまで引っ張り、プロジェクトを成功させるには、開発から、宣伝、営業など全業務に携わる確信犯的リーダーが必要。リーダーたる開発者は、スタート時点から目指す形(仮説)を頭の中に持っていなくてはならない。そうでないと、チーム内外のさまざまな意見に踊らされて、プロジェクトが頓挫してしまったり、できあがった商品の軸がブレてしまう。

・その商品のことを一番考え抜き、熱い思いをもつ人間なら誰もが手を挙げてリーダーになる資格がある。

商品開発の掟

■コンセプトに命をかける
コンセプトは何度も消費者テストをかけ、いいものができるまでは出さない。

■サプライズ
パッと見て、驚きがない商品は手にとってもらえない。消費者が持っているもやもやとしたカタチにならない不満や欲望の中にサプライズの種がある。

■ターゲット
戦略を成功させるには、まずはターゲットとする層を見極める。その層が何を大事にし、考えているのかを分析し、グループインタビュー等も行ってリサーチする。

■ヒットのヒント
あるトレンドが飽和気味になった際、逆に行くことで、ヒットを狙えることがある。
ターゲット層の生活スタイルと時代の気分を掛け合わせてみて、潮目の変化を期待できそうなシナリオが描ければ可能性アリ。

■消費者にフォーカス
上司や会社のOKをもらうための仕事はしない。消費者にフォーカスし、サプライズをもつものだけを考える。つねに消費者の声に立ち戻るという信念を貫くこと。

■組織
前例のないやり方だと、上層部は反対する。しかし、反対意見が出るというのは、それだけアイデアが斬新である証拠でもある。決して最初のコンセプトをあきらめず、市場調査をくり返して、いかにユーザーのニーズに合った商品であるかをアピールし続ける。FIREは、プロジェクトがスタートしてから、経営サイドのGOサインが出るまで17ヶ月かかったが、結果は大ヒット。

■リスク
著者もヒットばかり飛ばしたわけではなく、その10倍以上失敗もしてる。ユニークなものを生み出そうとチャレンジするほどハードルは高くなるし、組織の軋轢も大きくなる。が、リスクを恐れていては新しい視点や独自性を打ち出すことはできず、ヒットにもつながらない。リスクを取って挑戦し、その結果失敗してしまったら、悔しさを胸に刻んで次に生かせばいい。

感想

特に、大手メーカーのマーケティングに携わる人には必読の一冊。

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