クジラは魚じゃないなんて、どうして言えるのか?

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子どものための哲学対話

とある子供とその飼い猫「ペネトレ」との対話の記録。もちろんこの「ペネトレ」は著者永井均に代わって語るものであり、そういうところではほかの哲学書と同質のものである。
しかし、この本の面白いところは、掲題にあるような至極身近な問いを、子供と猫の会話という点で、平易な言葉で議論したところである。これにより、読者に考えさせる余地を与えているのだ。

第1章「人間は遊ぶために生きている!」

人間は遊ぶために生きているとペネトレは言う。しかし、ペネトレの言う「遊ぶ」とは、仕事をすることと対比した、何もしないでプラプラしていることではなく、そのときやっていることの中だけで完全に満ち足りている状態のことらしい。

第2章「友だちはいらない!」

友だちがいなくても生きていけるのは猫だけでなく、人間も一緒だとペネトレは言う。自分を理解してくれる人がいなくても生きていけることを人間は何よりも学ぶべきだと。そして、そういう人間の間にのみ、友情は生まれるのだ、と。

第3章「地球は丸くない!」

地球が丸いということもペネトレは怪しいと言う。地球が球体であるなら下のほうにいる人は落っこちいてしまう。なるほど、引力があるから落ちない?それならなぜ我々は引っ張られている感じがしないのだろう。それに地球の下のほう、なんて存在するのか?
地球という惑星も、この地面の上にあるんじゃないかな?

感想

土浦連続殺傷事件の犯人が影響を受けたとされる永井均の作品。
作者の与える問いはとてもシンプルだが、その分非常に強く、根源的だ。
社会の常識を根本から疑うことの難しさと、その意義を改めて感じる一冊となった。

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