全てが事実をもとにした、現代社会の問題を表したもの。

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「子供を殺してください」という親たち 1 (BUNCH COMICS)

漫画のタイトルからして、物騒な感じはしますが、
親が子を殺す現代、また、子供が親を殺す現代。
こんなことが実際にあるんだ。と思うとともに

これは、その家庭だから、この子が悪いから
ではなく、もっと広い目で見つめていかなければ
と思います。

精神科への入院が必要な子供(大半は成人している)を、諭し、入院から退院、仕事やまともな生活につなげていく、押川さんのリアルストーリーです。

第1章、精神障害か犯罪者か

ここでは、妄想癖と暴力衝動がある子供が登場します。
一度入院して、仕事が見つかっても、他の人に暴力をふるってしまい、結局は妄想の中を生き続ける…という状態でした。

主人公の押川さんのセリフで
「子供を殺してくれませんか……子供が死んでくれたら……子供が事故にでも遭ってくれたら……これらはすべて俺のところへ相談にやってきた親たちの言葉だ
しかしそんな親たちはいまの自分たちの姿こそが長年の積み重ねの結果であることを忘れている
表面的な事象に、とらわれぬくもりや人間味に欠けた育て方をすれば問題行動として必ず跳ね返ってくる
それは子供たちの心の叫びだ
親たちへの復讐だ」

第2章、第3章、親と子の殺し合い(前編、後編)

今度はアルコール中毒の子供の話です。
これには、家族に包丁で切りかかるという描写がありますが、
どうも、父親と母親の様子がおかしいことに気づいた押川さんは、母親だけを呼び出し、ヒアリングを行うと、
子供が幼いころ、父親がアルコール依存で母親にDVをしていたことがわかります。

父親との会話で
「あんな人間はもう死んだほうがいいんですよ
そのほうが社会に迷惑をかけないで済むじゃないですか」
と言う父親に対して、押川さんは

「俺は則夫(この章の子供)に健康を取り戻し長生きしてほしいと思っている‼︎」

と言います。
決して病気だから、暴力行動をするからといっても
子供を見捨てない押川さんの強い気持ちが表れているのではないでしょうか

第4章、母と娘の壊れた生活、前編

昔から、姉にいやがらせを受けていた妹が
実家を出たあと、しばらくたって、親孝行したいと思った時、連絡が半年もとれなくなってしまったとの相談。
実家に着くと、玄関のドアノブにはガムテープがびっしりと…
近所の人に聞いても、以前はうるさかったが半年くらいは静かだという…
最悪のケースになっていないかと不安になりながらもこの家に入ることを決める押川さんたち…(2巻に続く)

漫画の最後には、押川さんのちょっとしたコラムがあり、世間に訴えかけても叩かれたり色々言われる。
それでも、俺はやる。という強いメッセージがあります。
現代にこそふさわしい内容で、なおかつ漫画なので読みやすく、よりリアルです。

感想

すごいタイトルの漫画を見つけてしまった!と思いました。
夜回り先生は自殺願望者などの、孤独な子供たちに接しますが、こちらの押川さんは、すでに精神疾患をもっていたり、ひとつ間違えば暴力沙汰になるのでは…という中で仕事を続けられている。
信念の強い方だなあと思いました。

家族間の殺人事件が増える現代。
ニュースに取り上げられないことを
リアルに描いたものです。

押川さんの仕事と信念に、敬服しました。

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