派手さはないが、濃密に重厚に描かれたハードボイルド小説の決定版!

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蒼ざめた眠り (小学館文庫)

 主人公は廃墟カメラマンで元探偵の辰巳翔一。

 寂れた海辺の町で廃墟となったホテルの撮影中、中年女性ジャーナリストの絞殺死体を偶然発見した翔一。

 ひょんなことから、殺害された女性の元夫で地元新聞社会部記者・安昼悟郎から、探偵だった経歴を買われ、事件の捜査に着手することになる翔一だったが…。

 捜査を進めるうちに事態は二転三転し、翔一が想像だにしなかった事件の闇に巻き込まれていくことになる。

感想

 この作品を手にしたとき、正直言って私はその内容にあまり期待していなかった。作者の来歴も知らず、ただ題名に惹きつけられ読み始めたからだ。

しかし、最初の数ページを繰っただけで、その種の思い込みは霧消してしまった。

とにかく、面白い。
数ページどころか、数行先さえも予想できない、息詰まる展開が待ち構えていたからだ。

少子高齢化が急速に進む日本の鄙びた町の近未来を、ミステリーという手法を使って鮮やかに照射した傑作だと言えよう。

決して派手とは言えないが、ミステリー好きには堪らない『香納ワールド』を堪能して貰いたい!

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