そもそも禅とは何か、禅と悟りとは同意語である。

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禅と日本文化 (岩波新書)

この本は、1940年9月30日、昭和15年に第一刷発行、原著は1935年、1936年の2年間に渡って、英米の諸大学で行われた鈴木大拙の講演を骨子とし、資料を加えて上梓されたもので、もともと外国人のために書かれた、鈴木大拙・貞太郎著 Zen Buddhism and its Influence on Japanese Culture.(禅仏教とそれの日本文化への影響・Kyoto 1938 Eastern Buddhis t Society ,Otani Buddhist Collage)の前編六章と、別に「禅と俳句」という一章を加えて翻訳されたものです。

目次
序    西田幾多郎
原著者序 鈴木大拙

第一章 禅の予備知識

禅の大略、日本人の精神的生活、性格、文化に及ぼした影響などについて、11頁にわたり書かれてます。

第二章 禅と美術

日本芸術と禅の世界概念の密接な関係、多様性の中に超越的な孤絶性「わび」道が、日本人の文化生活に深く根付いていることなどについて22頁にわたり書かれてます。

第三章 禅と武士

禅と武士の密接な関係が生まれた主なる理由、武門階級との歴史的つながり、北条時頼の詩偈や「葉隠」からの一節、禅の愛好者であった武田信玄、上杉謙信の言説より禅との内的な必然関係についてなど、26頁にわたり書かれてます。

第四章 禅と剣道

「刀は武士の魂である。」の一文から始まり、禅と剣との親しい関係を幾つかの引用文をあげながら、心の置き所、心を働かすための禅の精神的要素などについて、38頁にわたり書かれてます。

第五章 禅と儒教

禅僧によって影響された日本における儒教の発達について、19頁にわたり書かれてます。

第六章 禅と茶道

茶の湯の作法を通して流れる禅の精神、内的感情を示唆する和悦、茶の湯の精神を組み立てる要素、死生の海をこえて一切の無常の形の中にある「実在」たる「無意識」そのものへの洞徹などについて27頁にわたり書かれてます。

第七章 禅と俳句

禅宗の特徴について、禅と悟りとは同意語であり、悟りの意義を特に打樹てたのが禅であるということ、どこで俳句と関係しているか、禅・芸術・生活とがいかに密接に日本文化に織り込まれているかなど、41頁にわたり書かれてます。

後記

感想

発刊された当時、ドイツの哲学者ヘルマン カイザーリングは、この本について、「恐らくこの書は単に日本に関するのみならず、英雄的精神の深奥にひそめる最も深遠なるものに関して著された最も美しい本であろう。」と評し、各国の宗教研家、日本文化に関心を持つ人々がこの本を大層歓迎したようです。

現代の日本社会の浅はかさに疲れている方、距離を置きたい方にお薦めしたい一冊です。喝。

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