反逆のハードボイルド作家のデビュー作!

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野獣死すべし(新潮文庫) [kindle版]

 主人公は敗戦で満州から引き揚げてきた大学院生、伊達邦彦。

 子供の頃に経験した悲惨な戦争体験で、人間性を根底まで蹂躙されていた伊達は、大学生の頃には一分の隙もない完全犯罪を夢想するようになっていた。

 手始めに、大学入学金の強盗計画を立て、実行に移す伊達。

 これに成功した彼は、戦時中に父の会社を搾取した京急コンツェルンに復讐を開始する。何度も生死の境を彷徨うが、強靭な肉体と怜悧な頭脳で九死に一生を得る。

 そして、遂に京急コンツェルンの総帥と対峙することになる‥‥・・。

感想

 戦後日本社会のまやかしの平和と政財界の腐敗した癒着構造を、作品を通して徹底的に否認し続けた作家、大藪春彦。

 彼の処女作が『野獣死すべし』である。

 平面的で中身のないコミュニケーションが溢れる現代社会とは相容れない、孤高の作家が生み出した本作を読まずして、ハードボイルド小説を語る事勿れ。



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