視点が定まらない

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嫌われない男のエチケットとマナー (アスカビジネス)

 嫌われない男、とタイトルにあるが、これは誰に嫌われないことを想定しているのだろうか。
 当初は一緒に働く同僚・上司・顧客(ビジネスマナー)なのかと思うが、それが営業・クレーム対応(一般マナー)に変わり、デート相手(恋愛スキル)に変わる。そしてまた同僚らに戻ってくる。視点がコロコロ変わり、マナーの範囲も変わり、本書がどんな読者を想定しているのかが全く分からなくなった。

 察するにこれは、筆者のこれまでの経歴が、コロコロと変わってきたことに関係しているのだろう。自分の経験のそれぞれの場面を想定し、そこで必要だと自分が思うマナーを詰め込んだ結果、本書が出来上がったのだと思う。
 マナーというのは共通認識を形成するのが難しい。○○流礼法であれば正しい作法があるだろうし、◇◇国の社交界であればメンバーが共有する常識というものがあるだろう。しかし日本の一般社会全般に共通するマナーの範囲は狭く、それぞれのコミュニティーのローカルマナーがあるのが現実だと思う。この考え方に則れば、本書の内容の半分はローカルマナーではないだろうか。

 自分が正しいと信じるマナーを押し付ける行為は、ビジネスの世界ではパワハラにつながりかねない。どこまでが共通するマナーなのかを見極め、それを説く姿勢が必要になるのではないか。全てできる人を求める行為は、マナーを共有するという基盤そのものをいずれ壊しかねないと思う。

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