いいことがなくても、救える人はいるんじゃないだろうか

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フーガはユーガ

伊坂幸太郎の書く物語には、必ずといってもいい。
ヒーローがいる。

本物のときもあるし、
日常に埋もれているくせにかっこいいやつ、
ときには悪人だって。

そんな彼らに共通するのは、
自分なりの「正義」があるということにちがいない。

マイナスから始まるときも、
プラスから始まるときも、

どんなときでもあいつらがかっこいいのは、
「正義」を貫く勇気があるからなんだと、そう思わせてくれる。

本の中の世界じゃない、こちらの現実には
悲しいことに理不尽が溢れている。
理不尽ばっかりだ。

なんでこんな目に合わなきゃなら人だ、
叫びたいのを我慢して生きているのが現代人だ。

本の中はユートピアか?
そう言う物語だってあるにはある。

けれども、
伊坂作品はそうじゃない。

どんな物語よりも、誰よりも
社会を見つめているからこそ、
「理不尽」を書き切り、そこにぶつける「正義」を示している。

そこに生きる登場人物たちが、だけど。

僕は、どうしようもなく辛いとき、
かならずといってもいいだろう、
伊坂幸太郎を手に取る。

どれだけ厳しくたってなんだって、
闘い続ける背中が見たくなるからだ。
言葉が聞きたいからだ。

風我と優我。
双子がこの物語の主人公。
この双子は、普通じゃない。

兄弟の物語ときけば、
『モダンタイムス』を思い出すかもしれない。

絆は、強い。

でも「正義」は個人のもので
共有できるかっていえば、それはちがうのかもしれない。

大事なものだって、
ひとそれぞれちがう。

それでも、なにか成し遂げたいって思う時、
隣に誰かいるのはきっと心強いんだ。

ひとりぼっちは、辛い。
双子だから、双子が主人公である意味を
見つめながら読んでほしいと思う物語かもしれない。

溢れかえっている理不尽、
それと闘う時はいつだってやってくる。
それこそ理不尽に。
でも、そういうとき、隣にいてくれる誰かが
いてくれたなら大丈夫。
そう信じたいんだ。

仮に、叶わない祈りだとしても。

フーガはユーガ

フーガはユーガ

  • 伊坂 幸太郎

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