アナリストが教える リサーチの教科書(高辻成彦 著)

5504viewsだー子だー子

このエントリーをはてなブックマークに追加
アナリストが教える リサーチの教科書―――自分でできる情報収集・分析の基本

はじめに.リサーチ精神を持とう

リサーチはリサーチすること自体が好きな人ほど向いている。好奇心旺盛な人ほど分からないことを自分から知ろうとするから。本書に書かれている調べ方は公開情報をベースにしたもの。証券アナリストの分析の基礎になるが、証券アナリストの通常の分析アプローチとは異なる。通常、証券アナリストは数多くの企業を取材し、株式指標を見て、企業価値評価を行う。

序章.ビジネスリサーチのスキルを身に付けよう

・本書では、リサーチして一次データを作ることを「マーケティングリサーチ」と呼び、すでに公開されている一次データを収集して二次データとして加工することを「ビジネスリサーチ」と呼んで区別する

・大手コンサル会社や市場調査会社ではリサーチの専門職がいるが、一般の事業会社やコンサル会社では、自己流かつ自立で調べていることがほとんど

・「ビジネスマンだったらそのくらい自分で調べろ!」と上司に言われても、肝心の調べ方についてまでは教えてもらえないのが実情で、世の中、調べ方のセオリーがあまり普及していない

何かを調べる前に次の4点をおさえる。

(1)何をリサーチするか
➡何をどこまでリサーチするか特定する必要がある。これは調べていく中で徐々に調べる対象範囲を広げすぎてしまいがちだからである。特に初期段階の場合、どこまで情報量を得れば充足するかが見えにくいため、どこまで掘り下げるか最初に決めておくべきである。

(2)何をリサーチの解決とするか
➡何を調べるかと関連して、何をリサーチの解決とするかもはっきり決めておく必要がある。なぜなら、これもリサーチの対象範囲を広げる原因になるからである。顧客や上司のどんなニーズに応えるのかを特定しておくこと。

(3)いつまでにリサーチするか
➡タイムリミットを決めておくことも大事。時間をかければより詳しく調べられるが、大抵リサーチはあまり時間をかけられないケースが多いはず。解決すべき内容からいつまでにどんなことを調べるかを逆算しておくことが必要。

(4)どの程度のコストを許容するか
➡どの程度のコストを許容するかを決めておくこと。

リサーチの解決を見出す際に必要となるのが仮説を持つこと。漫然とリサーチを進めても時間がかかるため、効率よくリサーチをするためには「どんな業界構造なのか」、「どんな検証の証拠を揃えるのが望ましいのか」など、リサーチに対する回答の仮説を立てておくことが重要である。

第一章.ビジネスリサーチの基礎知識

ビジネスリサーチは4つの切り口(4S)から情報を押さえるのが効率的である。

構造(Structure)
概要:構造とは業界構造のことで、ある事業を調べるには業界の構造を把握する必要がある
調査項目:製品/サービスの分類、製品/サービスの製造・販売の流れ、規制など
必要知識:経営戦略、経済統計の基礎知識

統計(Statistics)
概要:業界の市場規模を把握する上で、統計があるかどうかを調べる必要がある
調査項目:政府統計、業界団体統計、市場調査会社の統計など
必要知識:経済統計の基礎知識

シェア(Share)
概要:市場シェア(情報)を得られるかどうかを調べる
調査項目:市場調査会社、業界団体、事業会社のIR情報など
必要知識:経済統計の基礎知識

戦略(Strategy)
概要:戦略は競合他社との比較でどのような戦略的な特徴があるかを調べることにある
調査項目:主要各社の製品・サービス、地域性、収益性の違いなど
必要知識:経営戦略論、財務分析の基礎知識

感想

本書の前半5分の1程度を上記にまとめた。現代では、いかに短い時間で効率よく情報を集めるかが重要である。本書はそのための基礎知識をはじめ、主な情報元やまとめ方に至るまで非常にわかりやすく紹介されている。これまで私が読んだ書籍の中でもトップ3の中に入るだろう。正直、人に教えたくないほどの良書である。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く