自己信頼(ラルフ・ウォルドー・エマソン 著)

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自己信頼[新訳]

若い商人が失敗をおかすと、周囲の人は彼の人生が終わったかのように言う。それに対して、ニューハンプシャーやバーモントの田舎町から出てきた屈強な若者は、あらゆる職業に挑戦する。家畜を追い、畑を耕し、商品を売り歩き、学校を経営し、説教し、新聞を発行し、議員になり、土地を買う。そうこうしながら、どんな苦境も猫のようにしなやかに脱していく。このような若者には、都会の人形のような青年を百人合わせたほどの価値がある。

自己信頼を実践すると、新しい力が姿を現す。神の言葉が肉体をまとったのが人間だ。人間は、世界中の人を癒す為に生れた。同情されるのは恥ずべき事であり、法や書物や偶像崇拝や慣習などは窓から投げ捨て、自分自身に従って行動するなら、即座に世間はその人を憐れむのをやめ、むしろ感謝し、尊敬の念を抱くようになる―この事実を教えてやるのだ。そうすれば人間の生は輝きを取り戻し、その功によって、この哲学者の名は永遠に語り継がれるだろう。

秘められたる神意は、われらの努力のうちにあり勇気こそ、われらのもっとも大切な神なり

娯楽のため、あるいは自分にないものを手に入れる為に旅をする人は、自分から逃げているのだ。古いものに囲まれていると、若者でさえ年老いていく。テーベやパルミラでは、旅人の意志と精神もその土地と同じように古く、くたびれたものとなる。彼は廃墟に廃墟をもたらしているのだ。旅行は愚者の楽園である。一度でも旅をすれば、どの土地も似たり寄ったりだと分かるだろう。

シェイクスピアを教育できた教師がいるだろうか?シントン、ベーコン、ニュートンを指導できた教師はいるだろうか?偉人は唯一無二の存在だ。スキピオのスキピオたるゆえんは、まさに他人から借りられなかった部分にある。シェイクスピアを研究してもシェイクスピアは生まれない。自分に割り当てられた仕事をするのだ。そうすれば多くを望みすぎる事も、大胆になり過ぎる事もない。

一人の人間は、一つの町より優れた存在であるはずだ。他人には何も求めるな。そうすれば万物流転の世にあっても、あなたは唯一浮動の柱として、周囲のもの全てを支えるようになるだろう。持って生まれた力があるのに、どこであれ自分の外側に価値あるものを求めた結果、人間はこんなにも弱くなってしまった。その事に気づいて、ためらわず自分の考えに従う事を選んだ人は、ただちに正道に戻り、すっくと身を起こして、自らの手と足で奇跡を行いはじめる。ちょうど直立している人の方が、逆立ちをしている人よりも力を出せるのと同じように。

自己信頼[新訳]

自己信頼[新訳]

  • ラルフ・ウォルドー・エマソン

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