こんな神経科医がいれば最高

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イン・ザ・プール (文春文庫)

伊良部総合病院の地下にひっそりと存在する伊良部神経科。

そこには様々な悩みを持った患者が来院する。
医師の伊良部はそんな患者達を優しく見守り、必要とあらば薬を出し、時には励ま…さない!

注射フェチでマザコン、患者たちの症状を面白そうに時にはプライベートすぎる事までゴシップのように聴いちゃう
伊良部はそんな変人医師だ。

治療らしいことといえばただ、患者と一緒に同じ事をして「遊ぶ」だけ…しかし患者からすると無理矢理に伊良部が首を突っ込んでくるだけの形になって迷惑なのだが…自由奔放、子供のように回りなど気にしない大人気ない、そんな伊良部に巻き込まれる患者たちはある種「ええい、しょうがねーやつだな」と開き直った「伊良部の保護者状態」になってしまい、薬を処方するまでもなくなぜかたちどころに完治してしまう。

これは多分あれだ。
繊細ゆえ病に罹る神経科患者達と鈍感で人の心にズケズケ入ってくる伊良部はいわば対極の存在。患者からすると回りからどう思われてもやりたいからやるスタンスの伊良部が鮮烈に移るのではないだろうか?

患者を巻き込んで好き放題やる伊良部の行為は一つのことに囚われ苦しみがちな神経患者達の気を逸らすための一種のショック療法だと思う。(伊良部は計算でやってるのか、天然か分からないけど)

しかし、精神をすり減らしがちな現代にこんな神経科医が増えたら最高じゃないだろうか?

感想

とにかく笑えるシーンが満載。

神経症、強迫性障害…などなど色んな病の患者が来るのだけど
この人達は自分を抑えて、生真面目に回りに合わせて生きてるから苦しんでるんだな。
だから、伊良部のじゃっかん、めちゃくちゃな行為も、世間なんか気にせずにこれくらいやっちゃってもいいんだよ!案外大丈夫なんだよ!と身を持って教えてくれてるようでなんだか、読了後はこちらまで気持ちが晴れやかになる。

心が疲れた時に読む処方箋だ。

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