著者まとめ:その仕事は本当に必要ですか?(本当の働き方改革のススメ)

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メールに使われる上司、エクセルで潰れる部下 利益生むホントの働き方改革 (朝日新書)

個人と組織の生産性をいかに上げるか

「働き方改革」で注目を浴びている労働法制整備は、人口減少による深刻な労働力不足を「多様な働き方」を促すことでカバーするのが狙いだ。しかし、主婦や高齢者の労働参加率を少しばかり向上させても「焼け石に水」だろう。
 抜本的解決には、限られた人数でいかに効率よく仕事をこなすか、つまり、組織や個人の生産性を上げるほかに道はない。
 本書で取り上げるのは、まさにこの点であり、大規模なIT投資やAIなどの最先端のテクノロジーの導入ではなく、すぐに取り組め、かつ実効を上げた事例を中心に構成している。
 

e-mailは非効率の温床だった!

 本書では、四社の事例を紹介している。
 一社目(A社)の事例では、どんな業務にどれだけ時間を割いているのか、細かく時間を計測して課題を炙り出している。本書では実測データも紹介しているので、ぜひ参考にしてもらいたい。
 A社では、在社時間(外出を除く)のうち、実に多くの時間をe-mailに費やしていたことが判明した。
なぜ、e-mailばかり増えるのか、いかにe-mailに割く時間を減らすのか、という課題に組織的に取り組み、大幅な労働時間削減に成功している。

増える一方の会議や書類

 どの会社でも、ムダな会議や書類は山のようにあるだろう。
本書では、なぜムダな会議や書類が増えるのか、そのメカニズムを明らかにしたうえで、削減に成功した具体的な取り組み方法を紹介している。
 中でも、合理化の手順は、製造現場で改善手法として用いられている「ECRSの視点」(廃止:Eliminate、結合:Combine、代替:Rearrange、簡素化:Simplify)や、「合理化の基本原則3S」(単純化:Simplification、標準化:Standardization、専門化:Specialization)のなどのフレームワークを援用したもので、再現性を担保し、業務のムダの排除と効率化を強力に進める手法で是非参考にしていただきたい。

「こんなことで」の積み重ね

 本書で紹介するのは、誰でもすぐに取り組め、効果を上げる簡単な取り組みばかりである。「こんなことで」の積み重ねが大きな効果を上げているのだ。
 製造現場の生産性を論じる専門書はいくらでもあるが、ホワイトカラーの生産性向上、特に組織の生産性向上に関する本はなかなか見つけられない。
 本書はその点でユニークであり、業務の効率化が進まないと悩む多くのビジネスパーソンに読んでいただきたいと考えている。

感想

本書は単なるノウハウ、ハウドゥーの紹介を志向したものではなく、組織内の無駄はなぜ生じるのか、それを排除する際の壁は何なのか、壁をどう突破していくのか、といった本質的な点に焦点を当てています。

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