「傘についてのただこれだけのことで―。」川端康成の体験に基づく純粋な恋愛短編-雨傘-

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掌の小説 (新潮文庫)

あらすじ

霧のような春雨の降る日。
少年の父親の都合で離れることになってしまった
少年と少女は写真館へお別れの写真を撮りに行く。

一つの雨傘と純粋な二人の、たった2ページの物語。

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タイトルの「川端康成の体験に基づく」というのは、川端康成は23歳の秋、伊藤初代との結婚の承諾を得るため二度に渡って初代の養家先へ訪れ、二度目の訪問の際、初代と写真館で写真を撮り、夕食をとり、その帰りには「雨傘」のラストような体験があったようです。

この体験は初の長編「海の火祭」の『鮎』の章、『鮎』の章を独立の短編に書き換えた「南方の火」、また詩集形式の「化粧の天使達」には「雨傘」と題した一遍があり多くの作品に用いられています。

(参考文献:大学で読む現代の文学 双文社出版)

感想

2ページの中でゆるやかに変化していく少年と少女の心模様がとても愛おしい作品でした。
お互いが相手のことを不器用ながらにも一番思っている時間が流れています。
純粋で、愛というものが新鮮な男女の物語。

文字を読み進める毎にこそばゆくなってゆきます。
私は雨傘がとても好きな作品の一つになりました。

短編なので、あまりストーリーに関して具体的なところを語るのは控えます。

参考文献にある通り、多くの作品に用いられた、川端康成の心に深く残っている体験を感じられます。
気になった方はぜひ読んでみてください。

おすすめです^^

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