【行動経済学のバイブル】怖いくらい人間がわかる

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ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

行動経済学のバイブル「ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか」
ノーベル経済学賞を受賞したカーネマンが、人間の意思決定のシステムを解き明かす。

合理的に判断ができない例

私たちは、

  • 学校に投票所があれば、学校補助金の増額案には賛成したくなるし
  • 議論で最後に発表した人よりも最初に発表した人に強い印象を抱いてしまうし
  • 思い出しやすい知識の方が思い出しにくい知識より重要だと思ってしまう。

この本が名著とされる理由

従来の経済学では、人間は常に合理的な判断をすると規定されていた。
しかし、実際には

  • 1万円入りの財布を拾った時よりも落とした時のショックが大きかったり
  • ダイエット中にもかかわらず「今日だけは」と自分に言い訳をしてビールを飲み、締めにラーメンを食べて翌日後悔をしてしまう
など、行動は心理に影響されている。
こうした人間の心理傾向を考慮する行動経済学は、ビジネスへの応用範囲も広い衝撃的な内容であったため、世界中でヒットを巻き起こした。

意思決定を惑わす認知的錯覚

  • 「プライミング効果」:先に見聞きしたことに影響される
  • 「確証バイアス」:自分の判断を信じようとする
  • 「ハロー(後光)効果」:地位や肩書き、容姿によって信懸性を感じる
  • 「アンカリング(係留効果)」:数字によってかけられる暗示
  • 「フレーミング効果」:同じ意味を持つ情報でも、提示の仕方(フレーミング)が異なるだけで、受ける印象が全く違うものになる
  • 「利用可能性ヒューリスティックス」:手近な情報のみを頼りに結論を導きだそうとする
  • 「プロスペクト理論」:ギャンブルなどの利益と損失についての心理的傾向を示し、ノーベル経済学賞を受賞した理論

など、実に多くの心理的効果が私たちの判断に影響を及ぼしている。

認知的錯覚によるエラーを防ぐ方法

「必要なのは、不確実性の存在を認め、重大に受け止めることである」
こうした心理的効果は実生活の中にとけ込んでおり、その判断によって望まぬ結果を招くこともある。
こうしたエラーを防ぐには、 本書で解説されるような「認知的錯覚がある」ということを知ることだ。

人間の意思決定に関わる2つの思考モード

システム1(早い思考)

  • 自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、ごくわずかであり、 自分でコントロールしている自覚はない
  • 怒った表情をしている女性の写真が目の前に出されたら「あ、 この人は怒っているな」と思う。これは見るという行為と直感的思考が結びついた結果だ。これは考えずとも「システム1」により、自動的にその思考が導きだされる。

システム2(遅い思考)

  • 複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動に割り当てられる思考モード
  • 「17×24」という問題が出されたらどうだろうか。直感的にこれがかけ算であることはもちろんわかる。しかし、その答えを出すには計算という遅い思考、すなわち「システム2」を使う必要がある。

人は2つの思考を使い分けているが、性々にして「システム 2」は「システム1」の影響を受け、意思決定に合理的でない影響を与える。
本書は、その意思決定の仕組みを詳細に解き明かしている。

感想

「あなた」の意見を決めているのは「あなた」ではない。
ダイエット中「ビールを飲み、締めにラーメンを食べて翌日後悔してしまう」のも納得。。。"世の中"をそして"人間"を見る目が間違いなく変わる名著です。

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