概要
NHKアナウンサーから医師と異色の経歴を持つ著者は、下記のように語ります。
「これからの時代に最も価値を持つのは、間違いなく発想力です」
「アイデアを逐一、リアルタイムに生み出せる人とたまにしか生み出せない人との間には、人生で大きく差がつくでしょう」
「発想とは、決して新技術の発明や芸術の創作だけのものではありません。私たちの生き様自体がアイデアの対象なのです」
「求められているのは、普通の人が普通の職場や生活の中で必要とされているアイデアを出すことです」
本書は発想法に関する実用的なガイドブック、かつ発想力に対する考え方が根本的に変わるような一冊です。
以下、印象に残った箇所を抜粋します。
「プチ天才とは」
◆発想力には2種類ある
①天才の発想:社会のあり方や需要を無視した時代を超越するような発想
②凡人の発想:誰でも、いつでも、どこでも、社会が求めるような最低限の発想
◆「プチ天才」=「凡人の発想」
・天才の発想は、世間に理解されず生きている間に社会的に認められないこともある
例)アインシュタイン相対性理論など
・プチ天才:商品のリニューアル、売り上げを上げる方法、経費削減になる業務見直しなどニーズに合ったもの
例)家庭の主婦の生み出したアイデア商品など
発想力とは
◆発想力の方程式
『発想力=”ヒラメキ脳”×手段力』
◆ヒラメキ脳とは
・「発想を生み出すのに相応しい脳のコンディション」
◆手段力とは
・「発想を生み出すのにふさわしい手段」
ヒラメキ脳
◆ヒラメキ脳の2条件
①脳機能が活性化している
②副交感神経が優位
※副交感神経=リラックスする神経系
◆ヒラメキ脳のトレーニング方法
・三上(①厠上=トイレ、枕上=布団、鞍上=車中)で考える
→どこも副交感神経が優位になりやすい状態
・大好きなことに没頭しているとき
→副交感神経が優位、かつθバースト波(脳機能を活性化させる)が出ている
・アイデアによって、自分が得する具体的なことを考える
→10神経(ドーパミンを分泌してくれる)が刺激される
手段力
◆発想を生み出す簡単な方法「片っぱし法」
・片っぱしから逆転の発想をする
・片っぱしからアイデアの要素を別のものに取り替えてみる
◆アイデアを出し方を盗む
・アイデア自体ではなく、うまくアイデアを出せる人のやり方を真似る
◆Clue(発想の手がかり)を見つける
・オジズボーンのチェックリスト法
①転用②応用③変更④拡大⑤縮小⑥代用⑦再配列⑧逆転⑨統合
・ネットクルー法
①テーマを決める
②テーマをネットで検索。出てきたをキーワードを第一キーワードとする
③「テーマ+第1キーワード」で再検索。出てきたをキーワードを第二キーワードとする
④「第1キーワードのみ」で検索。出てきた中で、第二キーワードとはかけ離れた用語を第三キーワードに
⑤テーマを中心に第一~三キーワードを結びつけてみる
・電車の中吊りや新聞広告
広告はタイムリーなネタが豊富
・書店めぐり
書籍だけではなく、内装や品揃えなどに時代が的確に表れている
◆伝統的な手段
・KJ法
・マインドマップ法
・机の上で考えず人の話す
・歩き回る
・締切時間を決める
・シンプルに考える
やってはいけない方法
◆気合の空回り
◆一人で考え込む
◆オリジナルでなきゃダメという脅迫観念
◆義務感が先行 など