思春期の仕草、思考を独特の言葉で表現する

6436viewsaj_bwaj_bw

このエントリーをはてなブックマークに追加
蹴りたい背中

まずは最初の1ページから言葉の使い方のすごさを見せつけられる。

[さびしさは鳴る。(中略)私はプリントを指で千切る。]]

千切られたプリントとさみしいと感じる心
その関係がこう表記されるか、と驚く文だった。

内容は、あるモデルに浸透している男子高校生と、そのモデルに昔出会って声をかけられた女子高生の話。

男子高校生の、熱狂的な執着心が随所に表れ、
それを垣間見た女子高生は、
男子高校生を蹴りたいと思う。
嫉妬なのか。でも違う、所詮叶わぬ恋をしている奴だから、と、でも、こちらに振り向きもしないのかという、女子高生の気持ち。

二人の気持ちはある意味で交わり
ある意味で平行線。

群れたくないという、高校生独特の感受性と
そもそも興味がないという高校生の
二人の物語。

感想

高校生って、どうしても群れたくなるよな。
どうしてなんでしょう。
その疑問をぶつけられているようにも感じました。

この二人が、付き合う…というのなら
まったく面白くないのですが
付き合うことはないだろうと、感じさせるすごさ。

高校生だから、恋愛なんじゃないの?
と思っていたら大間違い。
たしかに男子高校生は熱狂的な執着心をモデルに持っていますが、それは無理なことだと本人も気づいているのです。
それでも止められぬ思いを見て、
女子高生は檻の中の動物を見るような視点で描かれているように感じました。

とにかく、言葉の使い方がとても上手く、
どんどん引き込まれていく物語です。

蹴りたい背中

蹴りたい背中

  • 綿矢りさ

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く