「生きること」。それを考えると色々なものがでてくる。

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生きるってなんやろか?

「生きてるってなーんだろう」「生きてるってなーに?」

このフレーズを知っている方であればおそらく20代後半から30代と言える。これは「笑う犬」シリーズに出てくる「テリー&ドリー」のコントである。

そのコントはさておき、「生きる」こととはいったい何なのか、そのことについて哲学的な観点、あるいは科学的な観点から考察を行っているのだが、アプローチはそれぞれ異なっている。

その異なった2つの学問がタッグを組み「人生」、そして「自分はどのように生きたらよいのか?」について紐解いたのが本書である。

1章「あなたにしかできないことなんてない~せせこましき時代のクリティカル・シンキング」

「自分にしかできないこと」って何だろうと考えている方もいるのだが、本章のタイトルにあるようにそんなものは存在しない。「誰でもできることばかり」と言ったら語弊はあるものの、自分自身に合った仕事でも、他人で自分と同じようにできる人がいる。そういった仕事をどのようにして選べばよいのか、そして哲学・科学両方の観点から今の時代をどのように生きたらよいのかを提示している。

2章「世界を変える“しょうもない”こと~80’sファッションとグーグルの共通点」

世の中のブームを作り出す要素として反発されるようなものもあれば、本章のタイトルのように「しょうもない」と言われるようなものまで存在する。しかし「反発」や「しょうもない」と批判されるようなものも時代が変われば、時流に乗り、一大ブームになってくる。

3章「石黒先生のロボット講義~人と人でないものの区別はどこにあるのか?」

ロボットは言うまでも無く人間ではない。しかし人間とロボットに共通するものは何か、逆に異なるものは何か、本章ではロボット研究の第一人者が説明している。

4章「あなたは、アンドロイドとどこが違うのか?~最後に、人間に残るもの」

前章の続きであるが、人間とロボット(アンドロイド)の違いとは何か、その一つとして「心」が挙げられるのだが、最近のアンドロイドにも「感情」を持つ事ができるようになった。その感情が「心」と結びついているのかどうかについて議論の余地があるのだが、そういった所についても本章にて議論を行っている。

5章「エクスタシーを忘れるな 生物学的にアイデンティティを考える」

いわゆる「気持ちのよい状態」を表しているのだが、そのシチュエーションとしてよくカップルで見かけるイチャイチャとした行為が挙げられる(具体的どのようなことかについてはここでは割愛する)。そのエクスタシーといわれるものは、ロボットにも通用するのか、そして生物学的に、宗教学的にどのようなものなのか、そのことについて論じている。

6章「アイデンティティの見つけ方 自分って?個性って?あなたの価値って?」

3章から5章までは人間とロボットの関係について取り上げてきたのだが、ここに来て第1章で取り上げた「自分にしかできないこと」の話に戻る。もちろん人には個人それぞれの価値観が伴っているものの、その価値観は自分で勝ち獲るというよりも、「偶然の産物」として醸成される。その「偶然」はどのようにしてつくられるのか、それは「行動」あるのみである。

7章「で、明日からどう生きればいいのか?」

ここでは本書の編集者が直接どう生きたらよいのかついて質問をしている。ちなみにこの編集者は出版された当時は、出版社に就職して間もない新人で、どのようにして生きたら良いのか分からないという状態にあるため、根本的な質問が多く見られた。

感想

「生きるとは何か?」という命題には、誰にでも共通するような結論は今のところ存在しない。むしろ「永遠の命題」と言えるように、それぞれ答えは存在するものの、人間という生きものがいなくなるまでずっと問われ続けるものなのかも知れない。しかしその命題はロボットなどの技術が進歩している今、殊更重要になっているのかもしれない。そのことを本書が暗示しているように思えてならない。

生きるってなんやろか?

生きるってなんやろか?

  • 石黒 浩,鷲田 清一

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