ワーグナーの紡ぐ音楽とオペラとは…

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Ferris Books (11) 破壊と再生はワーグナーから―いまを生きつづけるオペラ

クラシックやオペラの世界は敷居の高いものなのかもしれない。実際に私は吹奏楽・オーケストラを経験しているため、身近なものになってきており、趣味として取り入れているのだが、それだけでも「敷居が高いでしょ」と言われることも少なくない。実際に「クラシックやオペラは堅苦しいもの」というイメージが強く、身近なものにしていくために音楽評論家やプロ演奏者たちは奮闘し続けている。

本書はクラシックの楽しみについてドイツオペラの大家であるリヒャルト・ワーグナーの生涯と作品をもとに取り上げている。

第1章「クラシックっておもしろいの?」

クラシックやオペラの魅力とはいったい何なのか。私の立場から説明するのにはなかなか難しい。というのは何も知らない方、片足をつっこんだ方と話すものが異なるためである。
では、クラシックに何の興味のない方々にとって本章のタイトルにある質問をすると、著者は同じ曲でも団体や指揮者によって演奏が異なるという。

第2章「スキャンダルの再来」

本章で取り上げるスキャンダルは1976年、バイロイト音楽祭が始まってちょうど100周年を迎えた年に起こったものである。この時はオペラ「ニーベルングの指環」の読み替え上演だが、かねてから踏襲してきた解釈をことごとく覆した。そのことにより、キャストたちのボイコット、さらには妨害が相次ぎ、一大事件に発展した。しかしこの事件は「再来」として挙げられたのだが、そもそもワーグナー自身が起こした音楽表現の大改革だったという。

第3章「口ずさめる断片から宇宙の全体へ」

オペラには「アリア」と呼ばれる歌が存在する。有名なものも多く、TVCMで使われることも頻繁にある。もっと有名なものになると、歌謡曲やJ-POPと同じく帰り道で歌われることもある。
本章ではオペラにおけるアリアの良さについて伝えている。

第4章「波瀾万丈のはじまり」

本章からはリヒャルト・ワーグナーの生涯について追っている。ワーグナーは兄弟がオペラ歌手、親も熱狂的な演劇ファンという芸術的にも恵まれた家庭に生まれた。その恩恵もあって、指揮者・作曲家を志すことになり、有名な曲を生み出したのだが、元々浪費家であるだけに、収入を得たとしてもそれ以上の出費をしてしまい、夜逃げするような事が度々あった。

第5章「追われる日々」

本章ではオペラ「タンホイザー」の発表から「エルザの大聖堂への入場」で有名なオペラ「ローエングリン」の発表までの事について取り上げている。その中でもタンホイザーの成功の時に、莫大な収益を得たのだが、かねてからの浪費により、瞬く間にお金を失い、借金をするようになった。その借金取りから追われる日々を送っていたのだという。

第6章「一転、オペラの勝利者に」

ワーグナーは「ローエングリン」でバイエルン国王により資金援助を受けることができ、完全にオペラ界の勝利者になった。その後「トリスタンとイゾルデ」をはじめ多くの作品を生み出したのだが、ワーグナーの音楽に反感を持つ論者も出てきた。

第7章「理想の劇場を求めて」

ワーグナーは音楽へのこだわりも強かったのだが、ほかにも劇場へのこだわりも強かった。そのこだわりがふんだんに詰め込まれた劇場を求め、1876年に毎年行われるバイロイト音楽祭の舞台となる「バイロイト祝祭劇場」が生まれた。そうして第1回の「バイロイト音楽祭」を上演し、その後も新曲を作り続けたが、1883年にこの世を去った。

感想


ワーグナーの遺志は今もなおワーグナー家の方々によって受け継がれ、今もなお「バイロイト音楽祭」として続けられている。私自身ワーグナー作品を見る・聞くことはそれほど多くはないのだが、他の作曲家とは違った音楽性はもちろんの事、オペラもスケールの大きさに圧倒されたことを憶えている。その反面、先述の「ローエングリン」の中にある「エルザの大聖堂への入場」のように繊細な音楽も紡いでいる印象が強い。ワーグナーの魅力は波瀾万丈に満ちた生涯と遜色ないほど物語の大きさが半端じゃないといえるのかもしれない。

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