「誤解」を学術的に考察してみた

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誤解学 (新潮選書)

人間には人間ならではの感情や考え方、行動が存在する。その一つとして「誤解」というのがある。これは価値観はもちろんのと、考え方の違いによる、コミュニケーションの誤りの一つとして挙げられるのだが、はたして、「誤解」のメカニズムとはどのようなものか、本書は「渋滞学」「無駄学」などユニークな学問を生み出した学者が新しく「誤解」についての学問を取り上げていく。

第一章「誤解とは何か」

「誤解」を辞書で引いてみると、

「意味をとり違えること。間違った理解をすること。思い違い」(「広辞苑 第六版」より)]

とある。そう考えると辞書を引いた意味になってしまうのだが、本章では「誤解」にまつわる歴史を紐解いている。本章で取り上げられているもので最も古い出来事として、

「紀元前31年のローマで、オクタウィアヌス支持派とアントニウス支持派の間で解せんが勃発した」(p.12より)]

とある。この背景にはクレオパトラがいたのだが、この対戦の後に悲しい誤解が生じてしまい、クレオパトラとその愛する人の両方が亡くなった。
歴史的なことの他に、誤解が生じる理由として概要的に「ジェネレーションギャップ」や「説明不足」などを挙げている。

第二章「誤解の理論」

誤解の生じるメカニズムはコミュニケーション論でも定義づけられている「IMV(Intention Message View:意図・情報・見解を総称したもの)」を用いて定義づけられている。真意や解釈、そして伝達情報がはっきりとしていれば、誤解が生じないのだが、どれか一つでも誤りがあると「誤解」が生じてしまう。

第三章「誤解の原因」

コミュニケーションによって発生する「誤解」について、著者の専門分野である「渋滞」も絡めて分析している。どうして「渋滞」七日というと、コミュニケーションにも、情報伝達であり、そこに「流れ」が生じる。その「流れ」が滞ることにより、「渋滞」が生じ、「誤解」が生じるというわけである。
また原因は他にも情報の送り手・受け手双方による誤り(価値観・解釈など)により、誤解が生じるという。

第四章「誤解の後で」

生じた誤解に対していかにして解決していくのかは、原因により異なる。解決方法については三つに分類される。誤解を解くための努力をするか、放置して時間が解決するのか、そして誤解となるそのものを断つのか、いずれかにある。

第五章「誤解と社会」

誤解と社会は切っても切れない関係にある。その誤解に対して、いかにして理解していくか、そして誤解に対していかに紐解き、そして誤解を解消していくか、現状とともに分析をしている。

感想

人間の生活を行っていく中で誤解はある。その誤解に対して撲滅は不可能でも、少なくすることは可能である。本書はその誤解のメカニズムを知ることによって、誤解を減らすためにどうしたらいいのか考える一助となる一冊である。

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