シカやイノシシを取るワナ猟師になった前と後。

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ぼくは猟師になった (新潮文庫)

 ワナ猟の猟師になった著者(1974年生まれ)が、自分が猟師になりたいと漠然と思っていた時、実際に猟師になった方の体験記が見当たらなかったことや、実際の猟師の生活や考え方を知ってもらいたいという思いから執筆した書。
 出版は2008年、7度目の猟期に執筆したとのこと。

なぜ猟師になったのか

 子供の頃の経験、獣医をめざし挫折、文系への転向、大学休学、アジア放浪、東ティモールやインドネシアの難民キャンプ支援への参加、旅費や復学費用を稼ぐためにお世話になった職場での狩猟免許を持つ方々との交流など
 著者が狩猟免許取得に至るまでの経験や、狩猟に対する根底的な考え方。

猟師になるために

狩猟免許の取得

 狩猟免許には「猟銃による狩猟」と「ワナによる狩猟」(環境省管轄、都道府県別に申請)があり、それぞれ知能試験、適性試験、技能試験がある。
 著者はワナ猟の免許を取得。

地域の猟友会への参加

 狩猟開始に向け、地域の猟友会と連絡を取り、自分に合う猟友会を探し、地域の猟友会の方々とどのように交流を始めたかも記載されている。

猟はどうやって学んだか

 昔は猟の仕方などは基本人に教えたりしなかったが、著者は職場の先輩猟師の方々などから多くのことを教えてもらい、役に立ったという。
 実際のワナの作り方、仕掛ける場所・猟師間のマナー、狩猟期の毎日の過ごし方、獲物がかかった時の対処の仕方、肉の始末の方法、解体にかかる時間、肉の味など、失敗談も含め細かに記載。
 著者はシカやイノシシを取ることが多いが、猟友会を通じて、カモや雀を取るためのワナ猟へも参加し、その手法や知恵についても述べている。

休猟期の過ごし方

 猟期は地域などにより異なるが、大体11月15日~翌年2月15日の場合が多い。
 著者は普段は狩猟の師匠がいる会社で働いているため、猟期は朝夕山に通いワナを確認しながら、会社に通う。休猟期は山菜を取ったり、海の幸を取ったり、次の猟期への準備をし足りしながら過ごす。

猟師という生き方

 残酷だと言われたり、憧れられたり(そして、幻滅されたり)することもある。自分もまだまだ未熟だが、自分で取った命に責任を取って生きるという生き方を知ってもらえたら嬉しい と締めくくられている。

感想

 まとめ者も田舎出身ですので、比較的身近に猟師さんがおりました(その方は銃猟)。当たり前ですが、法令順守は絶対ですし、手間も銃の維持管理費もかかるし、取った肉の流通経路は少ないし、好きでなければ(意義がなければ)続けられないという愚痴も聞いたことがあります。
 近年、イノシシやシカの市街地への侵入も増えており、猟友会の高齢化が進む中、大変なことも多いと聞き及びます。
 猟に興味のある方は読まれると、具体的なイメージが湧き良い本だと思います。また、地域の鳥獣被害に遭われている方も一読されると見えてくることもあるかもしれません。読みやすい文体ですので、よろしければ是非ご一読ください。

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