平和な日常に混ざり合う「奇妙な世界」

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あめだま 青蛙モノノケ語り

「ただいま、死んだけれど帰って来たよ」

(「雨の日の帰宅」より)

ホラー小説家・田辺青蛙の
デビュー作「薫糖」を含めた、全60話の掌編集です。

田辺青蛙とは?

ホラー小説家。1982年。大阪生まれ。
2006年に第4回ビーケーワン怪談大賞で「薫糖」が佳作となり、
掌編怪談作品集『てのひら怪談』に掲載されている作家の中で最多の5作品が収録。
その他、「吸血鬼/ヴァンパイア文学800・アート」夜想賞や、
第15回日本ホラー小説大賞短編賞、「みちのく怪談コンテスト」受賞など数々の賞を受賞。

日常に溶け込む「奇妙な世界」

ホラー小説ですが、掌編集といって、
一作一作が数ページと短いので読みやすく、手に取りやすい作品です。

あめ玉の目をした少女、喋る蛙、脱皮する父…
どこにでもあるようなどこか懐かしい日常風景にふと落とされた影のような、
言いしれぬ不安と違和感。

自分の身近にもあるのではないかと思わせる、
日常の中に潜む非日常を淡々とした文章で描いています。

著者の言葉選びがとても上手で、
キャー!と驚くような恐怖感はありませんが、
夏の暑い日にじっとりと汗をかくような、
体にまとわりつくような恐怖が感じられます。

うわっ…と思うのに、なぜか読む手が止められない。

穏やかな日常と奇妙な世界のギャップに不思議と引き込まれます。

ただのホラー小説にとどまらない一冊です。

感想

とても面白かったです。
人によってはグロテスクと感じる表現があるかもしれませんが、中には読んだあとに、少しほっこりするようなお話もあります。個人的には、言葉の選び方や文章の作り方がとても丁寧で好きでした。

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