信長 近代日本の曙と資本主義の精神 小室直樹

7702views韓非韓非

このエントリーをはてなブックマークに追加
信長の呪い―かくて、近代日本は生まれた (カッパ・ブックス)

最近会った友人が小室直樹氏の著作を読んでいたから私も久しぶりに小室直樹氏の著作を読みたくなってこの本を図書館で借りて読んでみた。小室直樹氏の著作は学術書に分類されると思うのだがその中でも非常に簡潔で読みやすい。難解な内容を簡潔に書き、誰にでも分かりやすくするというのは簡単に見えて結構難しいことである。しかも小室直樹氏は内容の質も厚く、内容が深いまま簡潔に読みやすくしている。そのためあまり読書をしないという人でも小室直樹氏の著作を読むとすぐに教養と知識を身に着けることが出来る。私の主観ではあるが小室直樹氏の著作ほど読書初級者、中級者にうってつけのものはないと思っている。

といわけで内容に入っていく。ヨーロッパで近代資本主義が定着した理由として一番に挙げられるものは、マックスウェーバーが指摘したようにカルウ”ァニズムなどの禁欲的プロテスタンティズムである。
日本では、禁欲的プロテスタンティズムと同じ役割を果たしたものは織田信長であると小室直樹氏は指摘する。織田信長の楽市楽座によって独占的販売権を与えられた商人組合を廃止し、座でない人物でも商売ができるように政策を行った。日本において自由競争市場の創設でもある。アダムスミスの理論と似たようなものをこの日本で行った。織田信長は直観的にどのようにしたら市場は発展し、活気づくかを理解していたのだろう。しかしここで面白いことは全ての座を廃止したわけではない。存続を許可した座もあるのだ。市場の自由化を推し進めると共に他方では、特権的独占資本を作り上げていった。織田信長が推し進めたのは前期資本主義である。アメリカではロックフェラー。モルガン、フォード、など独占的な地位を占めた企業により国を資本主義化させるような政策を織田信長は、楽市楽座例で実践した。

織田信長はカリスマ的役割を果たすことで日本に近代資本主義の思想を発生させた。織田信長がいなかったら明治維新も成功の道を果たせなかったのかもしれない。織田信長は軍事面でも才能を発揮した。織田信長はあまり書物は読まなかったようだが孫子の兵法を体と脳に定着させていたために軍事的にも才能を発揮することが出来た。アプリオリ的に誕生した時から見つけていたのであろう。

この著作はこのように織田信長が日本において果たした役割を記述した本だ。織田信長について興味のある方はぜひ一読するといいと思う。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く