大衆の反逆。

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大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

この著作は、1930年に刊行されたにも関わらず現代でも色褪せず我々に衝撃的な印象を与える。オルテガはいちはやく現代大衆社会の到来を予告し、警鐘を鳴らした。当時はムッソリーニのファシズム勢力がイタリアでは名を馳せていた。その後に厳密にいうとナチズムだがファシズムに影響を受けたヒットラー、それとスペインではフランコ将軍が登場した。ムッソリーニもヒットラーも民主主義により、大衆に支持された事によって登場したことを我々は忘却してはならない。社会契約論、資本論と同様に大衆の反逆はその世紀を代表する著作でもある。
読むと貴族主義のようにも思えるがスペイン流の貴族主義、つまり民衆と同じような事をする貴族である。それとオルテガの指摘するように大衆的な人間以外に分類される人物は、ごく一部である。
カエサルを至上最高の天才とまで表記していたことには驚嘆の念を隠せなかった。オルテガが言うにはカエサルほどの知性的人物、政治的天才、先見性のある人物はいないと言う。なるほど私も彼に共感を覚える。カエサルを卑下する人物というのは早々いないようでもある。
現代でも混迷とした時代に突入しており、ポピュリストがアメリカでもヨーロッパでも台頭している。トランプ大統領の当選も善悪二元論を無視して衝撃を与えた。現代でもオルテガの警鐘は有効なのではないか。
今こそ皆が手に持って大衆の反逆を読むべきなのかもしれない。

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)

  • オルテガ・イガセット

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