歴史に埋もれた思想書

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世界の名著 10 諸子百家 (中公バックス)

中国古典と言えばどの本が有名であろうか。論語、孫子、韓非子、荀子、孟子などが定番であろう。孔子の儒教は毛沢東が儒教を中国の政治体制から乖離という壮大な実験を文化大革命で行おうとしたが中国の政治体制、中国人から儒教は根本的には残留し、今に至る。儒教は中国では永遠不滅の思想となったのである。それは対称的な思想が墨子である。墨子が唱えた墨家は歴史が進むにすれ衰退すうようになりいずれかは忘れ去られた存在となった。一部の知識人で再評価が進んだのは清末期の知識人の間である。墨子の思想は簡単に例えると中国版キリスト教なのではないだろうか。

墨子思想は仁愛を基礎としている。キリストが唱えた提唱も仁愛主義だ。キリストは「右手を殴られたら左の頬も差し出しなさい」というようなことを発言している。暴力には無抵抗で示せということだ。戦争でキリストのこの言葉を実現しようなんてならあっという間に敗戦となり国は滅亡してしまうであろう。しかし墨子は戦争は絶対悪で非行を唱えているのだが戦争において武装防衛を唱えている。墨家には武装防衛集団がおり戦績もなしとげている。

墨子が活躍した時代は春秋時代であるから防衛手段は城が主体となる。面白いことに具体的な城を主体として防衛方法を書いている。墨子は仁愛思想であるが防衛においては法を犯すものは処罰や処刑をためらわず行うべきというようなことも書いている。キリストは理想主義的な要素が強いが墨子は現実的な要素が強い。この点が決定的にキリストと墨子と相違する。

この本は現代社会でも通用する面白い書物だ。このレビューを読んだ人は一読を。

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