暴力行動には5ヒドロキシインドール酢酸が関与している。

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効かない薬・効く薬 薬の見分け方

「カレーはアルツハイマー病に効く」になった理由

 2004年、金沢大学の山田正仁教授は、クルクミンが試験管内でアミロイドβの凝集を抑えた、と発表しました。アミロイドβは、アルツハイマー病患者の脳に蓄積する老人斑の主成分です。クルクミンはカレーのスパイスのウコンに含まれています。
 ところがこの話は、カレーは認知症予防になるという話に飛躍し、クルクミン神話ができあがっていったのです。実際にアルツハイマー病の患者に投与し、効果があったという報告も出てきました。食品に関する研究では効果なしと結果を出した研究者は論文を書きません。そのため、世間には効果があるという論文しか登場しないのです(=出版バイアス)。効果のあるような結果が出れば研究費がもらえるので、効果がなくてもそれらしいデータを出す研究者がいてもおかしくないのです。

うつ病ではセロトニン合成能が低い

 「ハームアボイダンス(Harm Avoidance)」という心理学用語があり、これが高い人は神経質な人、心配聖な人であり、これが低い人は、非常に冷静沈着な人、楽観的な人です。このハームアボイダンスの差は5ヒドロキシインドール酢酸(5HIAA)が関与しており、ハームアボイダンスが高い時には5HIAAが少なく、ハームアボイダンスが低い時は5HIAAが多いことが分かってきました。5HIAAはセロトニンという物質から作られます。
 うつ病で自殺した人の脳ではセロトニンが非常に低く、5HIAAが少ないのです。うつではセロトニン自体が少なくなり、セロトニンの合成脳が低いようです。また、うつ病の人が抗うつ剤が治ったときは、5HIAAの量は元に戻っていました。すなわち、セロトニンの分解産物である5HIAAが多くなれば、うつが治ることが分かったのです。

5HIAAが少ないと暴力的になる

 暴力犯罪者を調べてみたところ、5HIAAが少ないことが分かってきました。また、セロトニンから5HIAAにいく反応の活性が低いために、外に出る5HIAAが少ないということです。
 世界ではセロトニン分解酵素の活性がゼロの希少家系が見つかりました。遺伝的に欠損している家系では、非常に暴力的な行動を起こすことが明らかになったのです。最近では、研究が進み、一般にうつと暴力の違いは、セロトニンだけではなく、男性ホルモンやアドレナリンによる可能性もあることが指摘されています。

セロトニンに関する誤解

 「セロトニンマン」とは、文部科学省が、”セロトニンが活発に分泌されると、子供も大人も心身ともに健康で、生き生きと毎日過ごすことが出来る”と宣伝する際に、セロトニンをキャラクターにしたものですが、この宣伝文句は、科学的な検証のかけらもない、ひどい宣伝です。2008年からは、”セロトニン神経を鍛えよう!”へ変わりました。神経を鍛えることが出来れば、素晴らしいですが、残念ながら難しく、素人考えといわざるを得ません。

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