健康のためのタンパク質の基礎知識

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Tarzan(ターザン) 2017年 9月28日号[1食20gから始める タンパク質マニュアル]

一食で20g摂ろう

厚労省の「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、20代以上のタンパク質推定平均必要量は1日50g、推奨量は60gとなっている。
これは三食でしっかり摂ったほうが吸収効率がよく、それ以上に分けない方がよい。
具体的な献立では、一食につき2品以上のタンパク質食品があるのがいいようだ。

ベジタリアンでも筋合成は可能

オランダの研究所が、小麦由来のウィートプロテインを高齢者に投与した比較実験の結果、筋合成が有意に上がったという。
また、1985年のアミノ酸スコアの見直しで、大豆はスコアが100になった(それまでは86)。かつてラット用いた実験の結果、大豆にはメチオニンが不足しているとされてきたが、これは体毛を伸ばす上での話だった。85年にヒトレベルで見直され、大豆はスコア100の優良タンパク源となった。
つまり、肉ばかり食べなくても必要なタンパク質は摂れるのだ。

過剰摂取の問題点

①肝臓・腎臓が弱い人は、その機能が低下する
分解の過程で窒素が発生し、これがアンモニアに変わる。これを尿素に変換する肝臓、濾過する腎臓に負担がかかる。
②余ったアミノ酸が脂肪に変わる
アミノ酸を多く摂取しても、そのままの状態で体内に貯めておくことはできない。使い切れなかった分は脂肪になる。
③骨粗鬆症になる可能性
タンパク質を過剰に摂取すると体内が酸性に傾く。それを中和するために骨のカルシウムが利用される。決定的な証拠はないが、これが骨粗鬆症のメカニズムとされている。
④オナラが臭くなる可能性
タンパク質の摂取に意識が傾くと、食物繊維や発酵食品の摂取量が少なくなる場合も多い。食事のバランスが崩れることがオナラのくささにつながる可能性がある。
⑤尿路結石のリスクを高める可能性
尿路結石の結晶化や成長を抑えるのがクエン酸やマグネシウムだが、動物性タンパク質はクエン酸を減少させると言われている。

お米よりパンがいい??

「タンパク質量“見える化”FOODカタログ」という項で、献立ごとにタンパク質量を示している。
ご飯200gには5g、トースト60gには5.6gのタンパク質が含まれるという。ホットケーキ240g(3枚)には18.4gである。
(ここから私見)タンパク質の補給という点に限るならば、お米より小麦粉の方が優れているのかもしれない。ただし、エネルギーが不足するとアミノ酸がエネルギーに変換されるらしいので、糖類の含有量まで比較しないとなんとも言えないけれども。

コラーゲン

タンパク質は、体内でアミノ酸のレベルに分解されてから吸収され、再びタンパク質に合成される。つまり、タンパク質の形では吸収されない。コラーゲンもタンパク質の一種なので、コラーゲンを摂取してもコラーゲンそのものを吸収できるわけではない。
コラーゲンはグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンという、三つのアミノ酸からなる。人体に摂取されると、消化・吸収のプロセスを経て、この三種に分解される。グリシンとプロリンは吸収されて再びコラーゲンの材料となる可能性があるが、ヒドロキシプロリンは吸収されずに排出されてしまう。ヒドロキシプロリンは、新たにプロリンから合成されるが、その際にビタミンCが不可欠となる。コラーゲンを体内で合成するために必要なのは、コラーゲン食品そのものではなく、ビタミンCが含まれる緑黄色野菜などである。
17世紀の大航海時代、壊血病がおそれられた。これはビタミンCの不足により、コラーゲンの合成が滞り、血管が破れて出血が止まらず死に至るという病気だった。

感想

健康のためにせよ筋トレするにせよ、タンパク質を摂ることの重要性をあらためて認識させられた。肉類ばかりではなく、魚や乳製品、大豆食品も組み合わせて、効率よく摂取するようにしたい。大豆のアミノ酸スコアが100になっているということも知らなかったので、新鮮な驚きだった。
よく健康な高齢者は肉や魚が好物だというけれども、この号を読んであらためて納得させられた。

それにしても、この「1日60g」という目標は、かなりハードルが高いのではないのではないだろうか。健康食品のCMなどでは、日本人の野菜不足がよく取り上げられるが、それ以上にタンパク質が不足しているに違いない。そしてまた、これらをバランスよく摂取するとなると、一層難しいだろう。栄養管理を受けるなり、食生活をよっぽど意識して食費と料理の時間を確保したりしない限り、この達成は不可能なのではないかと思う。
【2018年1月26日読了】

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