うつ病にまつわる禁断の問いにせまる!

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「うつ」は病気か甘えか。 今どきの「うつ」を読み解くミステリ

 本書は、うつ病において医師がどのようなことを念頭に置いて診断をしているかを(おそらくすべきか、も)精神科医がわかりやすく説明した本です。
・ 真のうつ病は原因がなく、一度病気に罹るとそれまでのその人とは全く変わってしまうもの。
・ 電通事件を機に生まれたストレスが原因、誰でもなる、といううつ病説は、うつ病にまつわる偏見を吹き飛ばした。
・ ただ、ストレスによる落ち込みは時間がたてば回復するし、薬は必要ない。
・ でも、これを「うつ病」として投薬する、休職を指示する医師がいる。それはある不幸な顛末を生んでしまう・・・

 ここまではいわゆるうつ病の原因について、かねてから議論されている話題の延長ですが、本書ではさらに踏み込んで
・ (おそらく著者が作成したものと思われる)甘えの診断基準、嫉妬病の診断基準、不機嫌病の診断基準などを引き合いに出し、うつ病診断の弱点を浮き彫りにしている(いわゆる疾患喧伝=病気の押し売りになりやすい)
・ 診断する医師には、迷った時には医学的な正しさより、患者の利益を優先するというヒポクラテスバイアスがある(ただただ患者のためにならいいではないか、どこが悪いという方向に暴走する)
・ さらに、自分の能力をあらゆる局面で発揮したいというプロならではのハンマーバイアスもある(専門知識をフル回転させてわずかな所見の中に病気のサインを見出すことのどこが悪いという専門馬鹿に陥る)
といった、診断の「裏側」についても述べています。

感想

 甘え、嫉妬病、不機嫌病の診断基準は、ネーミングはふざけているものの、内容は腑に落ちるものであり、うつ病と”うつ病でないもの”のイメージがわかりやすかったです。

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