滝沢馬琴「南総里見八犬伝」

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現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)

戦国のヒーロー、八犬士が織り成す壮大なファンタジー

時代は室町時代の半ば。関東管領の足利持氏は、幕府に反旗を翻すが失敗し自害する。持氏に恩義のある里見李基は、息子の義実とともに幕府の大軍と戦うが失敗。里見家の再興を誓わせ、義実だけを逃がした。義実は南総の安房(現在の千葉県南部)に渡り、領主となる。結婚した義実には伏姫という娘がおり、彼女は常に、体に八つの黒痣がある大きな犬・八房がつき従っていた。

ある日、隣国に攻められ追いつめられた義実は、八房に「敵将の首を取ってきたら伏姫をあるぞ」と戯れを言う。すると驚いたことに、犬は本当に敵の首をくわえて帰ってきてしまった。義実は約束どおり八房と伏姫を結婚させたものの、娘を取り戻そうと彼らに追っ手を差し向けて八房を鉄砲で殺す。伏姫もこのとき弾を受け、「犬の気」を受けて子を宿したことを恥じ、腹を割き自害する。このとき伏姫の体から八つの珠が飛び出し、きらめきながら八方に散っていった。

やがて関東各地で、「犬」ではじまる名前、体のどこかに牡丹の花によく似た痣、文字が浮き出る小さな珠を持つ子供が生まれる。彼らはときに主従関係であったり敵味方であったりと、さまざまな縁で巡り会う。そして不思議な運命の導きにより仲間を捜す旅がはじまる。彼らは妖怪や悪霊と対峙するなど数々の奇怪な事件に巻き込まれながら、一人また一人と集まってゆく。足すけ合い、共通の敵と戦うことで結束を深める。いっときは散り散りになっても必ず再会を果たし、ついに「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の八つの珠が終結、八人となった。犬塚信乃、犬川荘助、犬山道節、犬飼現八、犬田小文吾、犬江親兵衛、犬坂毛野、犬村大角―これが伏姫を霊母とする「八犬士」である。彼らは同じ運命を持つ義兄弟として、そろって里見家に仕える。

その頃里見家では代が変わり、義実の息子・義成(伏姫の弟)が家督を継ぎ、その勢力は上総国(千葉県中央部)から下総国(千葉県中北部)にまで広がっていた。これを滅ぼそうと近隣の軍が攻めてくるが、八犬士の率いる里見軍が圧勝。その功績を讃え、彼らにはそれぞれに城と義成の八人の娘が与えられた。

十数年後。八犬士の体の痣と珠の文字が消える。八つの珠は安房の国の四隅に埋められ、守護とされた。八犬士は山にこもり隠居生活に入り、やがて姿を消す。

里見家では、その頃からお家騒動が持ち上がり、十代目にして滅亡と相成った。

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